さよならジョブズ。稀代のマーケッターが仕掛けた広告10選
昨日引退を発表した稀代のマーケッター“Steve Jobs”が繰り出したAppleの印象的な広告10選をAdvertising Ageが発表した。いずれも素晴らしい作品ばかりで、この10選には激しく同意します。
“1984”
ジョージ・オーウェルの「1984」をモチーフとしたTVCM。ビッグ・ブラザー=IBMに立ち向かう1人の革命者=Appleの姿を描いている。1984年の第22回スーパーボールという大舞台でのオンエア、「自由」を拠り所にして生きる米国人のバイブル「1984」を使うという大胆な表現が印象的で、個人的にはこれがジョブズ広告の最高傑作ではないかと思います。
“Silhouettes”
激しくダンスする人のシルエットが音楽を携帯することの魅力を120%表現。これ程シンプルでパワフルな広告は他に無いです。
“Mac vs PC”
3年以上続いたMicrosoftを皮肉る強烈な比較広告シリーズ。この“Virus”という作品もWindowsのセキュリティ能力を揶揄している。比較広告と言えば、Coca-Cola vs Pepsiが有名だけど、こっちの方が遥かにクレバーでダメージが大きい手口だと思います。
“Stacks”
iPod nanoが発売された時にリリースされた薄さ・小ささを強調するTVCM。これ以降は製品そのものの機能美を表現の中心に置いたように思います。
“Quotes”
“Mac vs PC”のオンライン広告版。New York TimesのWebサイトの画面を縦横無尽に使うこの手口に、当時激しく感動したのを思い出します。
“Funnest”
iPod Touchの動きに合わせてYahoo Gamesの画面が左右上下に揺れるこのオンライン広告も従来の常識を翻す仕掛けでした。
“Calamari”
iPhoneのデビュー広告。過剰な演出は一切排除し、プロダクトを見せるだけ。イノベーションの偉大さを感じずにはいられないTVCMでした。当時、既に先行していたスマートフォン“Blackberry”が陳腐に感じました。
“Envelope”
封筒を開けるとMacBook Airが出てくるという感動の演出。これも過剰な演出一切無しです。
“Meet the iPad”
単にプロダクトを使うことが、これ程クールと感じるのは中々無いですね。
“Think Different”
アインシュタインやキング牧師、ジョン・レノン、モハメド・アリなど、“Think Different”の実践者が次々に登場する。このコンセプトは今では「イノベーション」という言葉で代用され、手垢がつきまくっているけど、どの使用者もAppleと比べるとその言葉に負けていると感じます。