Campaign_Otaku

Campaign, more than anything

デザインが医療を救う~動物実験を無くし、医療開発時間とコストを大幅削減するチップ

f:id:y_sequi:20150625132904j:plain

毎年、ロンドンのデザインミュージアムが選出している"Best Design of the year"に"lung-on-chip"と呼ばれるプラスチックのチップが選出された。このチップはハーバード大学の"Wyss Institute for Biologically Inspired Engineering"が開発した人間の器官の再現を可能にするチップで、真ん中赤と青の管には肺細胞と毛細血管細胞があり、人間の肺を単純化した上で再現している。

このチップにより動物実験の必要がなくなり、低コスト・短時間で新たな治療法開発を実現することができる。例えば、PM2.5などの化学物質を吸い込んだ時の肺の状態を観察する...なんてこともできる訳だ。

結構難解だけれども数年前に制作された映像がある。

医療とデザインということでは、数年前のDutch Design Weekで発表された、癌を検知するガラス器は印象的だった。西洋蜜蜂(蜜蜂の一種)を訓練すれば、人間の呼吸から癌の臭いや他の深刻な病の臭いを検知できるという科学者の発見を受けてSusana Soares(ポルトガル/デザイナー)によってデザインされたものだった。

f:id:y_sequi:20150625132127j:plain

複雑な臓器を作り出して、そのまま人間に利用するということまだできないけど、細胞実験などに使う組織をプリントできる3Dプリンタ"BioBot"なんかもある。

f:id:y_sequi:20150625132147j:plain

デザインミュージアムがこのような医療関連のデザインを選出するのは初めてのようです。この"lung-on-chip"の受賞によって、デザインと医療の注目度が上がって、次々に新しいアイデアが出てきて医療の進歩を加速するとすれば、かなり素敵なことです。

(via GIZMODE)