Campaign_Otaku

Campaign, more than anything

“Parallel Lines”コンペティションのウィナー決定+新作発表


2010カンヌライオン「Film Craft部門」グランプリを受賞したPhilipsParallel Lines”の一貫として、この春から実施されていたフィルムコンペティションのウィナーが“Porcelain Unicorn”(陶器のユニコーン)に決定した。応募数は600程度とのことだが、クオリティの高い映像を要求するコンペティションだけに、数にはそこまでこだわっていないのではと想像できる。
このコンペティションは、既に発表されている“Parallel Lines”の5作品同様、“What's that?”(それ、何?)“It's a unicorn.”(ユニコーンだ)“Never seen one up close before.”(こんなに近くで見るのは初めてだ)“Beautiful.”(美しい)“Get away, Get away.”(逃げろ)“I'm sorry.”(すまない)...の6つのセリフしか使ってはいけないというレギュレーションが踏襲されている。
舞台はナチスドイツのユダヤ人捜査で、隠れていた女の子を助けた少年が数十年の時を経て、当時の少女と再会するというストーリーだ。
ちなみに、こちらがユーザー投票が最も多かった作品“Baby Time”(ウィナーはユーザー投票の得票数の多い作品の中から監修のRidley Scottが選択する仕組み)。

コンペティションのウィナー発表と前後し、かねてから予告されていた3DLEDのシネスコサイズTVのプロモーション用として“Parallel Lines”の新作“The Foundling”(捨て子)がリリースされた。ユニコーンのように額から角が生えた子供が捨てられ、やがて見せ物小屋で生みの親と再会するというこの悲しい物語も上記同様6つのセリフのみで構成されている。

“Parallel Lines”シリーズは、Ridley Scottが監修していることもあり、基本的に映像として格調が高い。加えて、「6つのセリフ縛り」という新発想が、こういったフィルム企画の新たな面白さを引き出しており、TV setのキャンペーンとしては、ここ何年かで最も存在感を感じる。