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悪夢を乗り越え、今、立ち上がるドミノピザ



昨年、全世界の企業マーケティング関係者を震撼させた「ソーシャルメディアの悪夢」から、今、ドミノピザがはい上がろうとしている。
ソーシャルメディアの悪夢」とは、米国のドミノピザで働く2人の従業員が、顧客のもとに届けるピザのトッピングを鼻の穴に入れた後、盛りつけたり、ピザの上でくしゃみをする等の悪事の限りを尽くした一部始終をビデオ撮影し、Youtubeにアップした事件である。ビデオの視聴数は瞬く間に数百万に達し、最終的にはこの2人が逮捕されるに至った(ビデオ上)。
この悪夢を振り払うかの如く、ドミノピザがこの度スタートしたキャンペーンが“The Pizza Turnaround”(新たなる道へ)。ビデオ(下)をご覧頂ければわかるように、顧客が不満を語る姿や投稿された不満コメントまで公開することで、顧客の声に真摯に耳を傾けていることをアピールしつつ、生地・ソース・チーズを徹底的に見直し、開発スタッフの情熱が詰まった至極の一品をつくりあげるドキュメントだ。最後は、不満を口にした顧客のもとへ、その至極の一品を持って行くところで「つづく」となっている。
失った信頼を回復するというのは気の重いテーマである。しかし、奇跡を起こす妙薬など無い。ドミノが不死鳥の如く甦るかどうかはわからないが、最後は「全てを受け止める」「一丸となって顧客満足にフォーカスする」というこのビデオでドミノがとった行動しかないのだと思ふ。