JRによるリオでのインスタレーションが伝えるリオの光と影
開幕直前にして、依然「いよいよ感」がない五輪ですが、「JR」の2つの3Dインスタレーションで気分があがってきました。JRは長年、世界中で個人をアートに転換するプロジェクト"Inside Out "を展開中ですが、この2つもその一環とのことです。
1つ目は内戦の渦中にあるスーダンのハイジャンパー、Mohamed Younes Idriss(現在はケルンを拠点に活動)が高層アパートを跳び越えるかのような作品。Idrissは、残念ながら五輪出場を果たせなかったんですが、「ここにいるよ !」って感じでしょうか。
布に写真をプリントして足場に固定するという方法が新しいそうですが、この足場を見れば作品のスケールがいかに大きいかわかります。
写真を見る限り、高層アパートといっても、落書きだらけで廃墟っぽいです。想像するに、バブルが弾けて完成できずに放置されたアパートではないかと。JRとしては、宴の裏側にある負の側面にも注目を集めようという試みではないかと思います。
2つ目は、ダイバーが今にも海に飛び込もうかという作品。誰がモチーフになっているかは不明です。
もっといろんな角度の写真が欲しいところですが、このインスタレーションが設置されているBarraの海は汚染されており、その海に選手が飛び込まなければならないことを揶揄しているのではないかと想像します。
そんな中、3つ目のプロジェクトも進行中みたいです。リオのスラム「ファベーラ」のトップにあるカルチャーハウス"Casa Amarela"に「月」をつくる、とのこと。
リオデジャルイロは光と影のコントラストが強すぎます。東京はそうならないことを願う次第です。
(via designboom)