これが人間が進化すべき姿。ダーウィンも納得するかもしれない、交通事故に対応する人間の肉体的進化説
この醜い姿をした男の名は「Graham」。
Grahamが、SF映画に登場しそうな醜い怪獣だと思う人はいても、「人が進化すべき姿」であると思う人は皆無だと思います。しかし、これは空想とはいえ、実際に綿密なシミュレーションの末にデザインされた「人が進化すべき姿」です。
本格的なモータリゼーションが始まった約100年前以来、交通事故を減らすために自動車や道路は著しい進化を遂げてきました。一方、その間人間は肉体的に進化していません。Grahamとは交通事故に耐えうる機能を持った進化した人の姿というわけです。
例えば、事故の最中、頭の動きが止まっていたとしても、頭蓋骨の中で脳が動き、損傷につながるわけで、それを避けるための、「平べったくて幅広で、額が飛び出た頭部」ということだそうです。気になる「たくさんの乳首」なども含めて各部の構造と機能が、特設サイト"Meet Graham"に記されています。
GrahamをつくりあげたのはTAC(豪州ビクトリア州交通事故委員会)、Clemenger BBDO、Patricia Piccinini(アーティスト)。素材はシリコン、グラスファイバー、樹脂、人毛。Grahamは、いわば交通安全キャラクターであり、ゾッとするような人の進化の必要性を通じて、運転態度について見直すきっかけをつくろうというわけです。
交通事故に対して、人が肉体的進化で対応するという発想、凄まじいです。
ダーウィンの自然淘汰と突然変異の考え方って、数百万年もの世代交代の中で変化が起こるわけですが、自動車や道路の更なる進化がなく、交通事故が高水準で続く前提ならば、数100万年後の人の姿がGrahamのようになってもおかしくないと思う次第です。
自動運転カーに期待です。
(via Fast Company, ADWEEK)