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スポーツ振興に貢献するオリンピックによってスポーツ環境が破綻し、モチベーションを失ったギリシャのアスリートを勇気づけるNikeのフィルム

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ギリシャの悲劇。なんと皮肉な出来事なんだと思います。オリンピックにはいろいろなミッションがありますが、間違いなくその中心にあるのが「一国、地域のスポーツ振興に寄与する」ことです。しかし、ギリシャはそのオリンピックによって国が壊滅的な打撃を受け(勿論、オリンピックだけが理由ではないですが)、アスリートはモチベーションを失い、スポーツ環境はボロボロになりました。

そんなギリシャの若いアスリートを勇気づけようと、Nikeがフィルムをリリースしました。出演しているのはギリシャのトップアスリートであるEleni Hatzimitrou(水泳), Michalis Seitis(パラリンピック・ランナー), Giannis Antetokounmpo(NBA), Nikoleta Kyriakopulou(棒高跳び)。ロケーションは廃墟と化したオリンピック競技施設です。ギリシャを襲ったカタストロフィが滲み出ている空間です。
 
 

We will not be defined by circumstance. We will not be undone by what is broken. We are more than our surroundings. We are the makers of our fate. Just do it.

環境ではなく、 自分自身で運命をつくるんだ、という力強いメッセージ。Just Do It.がピッタリです。さすがNikeだと思いました。

聞くところによると、リオもかなり危機的状況だし、エンブレムが盗作だとか、運営費が一兆円足らないとか、競技場の建設費が高すぎるとか、聖火台がないとか、呪われたようにトラブルが続く2020はどうなるんでしょうか。東京は2度目なので、「財政負担が少ない」だとか「より開かれた」だとか、今後のオリンピックに対して示唆に富んだ大会になることを期待していましたが、やっぱり20世紀型の大会になるんでしょうか。

(via ADWEEK)