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この世で一番ダサいものをクールに転換するファッションデザイナーの技

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ブランドロゴがプリントされたTシャツって、従業員やイベントスタッフしか着ない、ダサさの極みみたいな服だと思っていました。かつて、「BOSSジャン」という例外はあったけど、あれとて「オシャレ」と呼べる代物ではないと思います。

なので、このDHLのTシャツを見た時は驚愕しました。DHLの配送員が着ていればただのユニフォームなんですけど、それをSarah Snyderやローラが着ているだけで、「オシャレ」になってしまいます。
 
 
 

ROLAさん(@rolaofficial)が投稿した写真 -

 
このシャツを販売しているのはVETEMENTS。2014年に立ち上げられたフランスの新興ブランドです。クリエーターのDemna Gvasaliaは90年代のレトロ感やストリートウェア、ちょっとした「ダサさ」にインスパイアされてデザインしているそうです。因みに、このDHL Tシャツは330ドルです。狂ってる。
これはブランドロゴではないのですが、1993年につくられたスヌープドッグのプロモーションTシャツをリメイク。ライブに行くと売ってそうな、ファン以外はほぼ欲しくない典型的なアーティストTシャツです。これが1,000ドル!
その他にも、Paris Fashion Weekでセレーナ・ゴメスに一見安っぽいスウェットの上下を着せるとか、ちょっとクレージーすぎて怖いです。
モデルのという商品以外のチカラを使ってはいるけど、現代アートでいう「レディメイド」的思想のような気もします。この世にはオシャレとそうでないものの境界線などなく、人の意識、個々のガイドラインをデザイナーが操作しているのだと思った次第です。この手法、ブランドマーケティングに使えたら最高です。何はともあれ、DHLはラッキーです。
(via Mashable)