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弱小ブランドの戦い方


"Newcastle Brown Ale"はその名の通り英国にルーツを持つビアブランドであるが、現在のメイン市場は米国であり、BudweiserやCoorsといった巨額資本のブランドと戦っていかなければならない訳だけど、広告費の桁が違うことを鑑み、昨年からテレビなどの媒体費に大きな費用を割かず、コンテンツで勝負する方針に切り替えている。
2014年彼等が仕掛けたのは世界で最も高額なTVCM枠を誇り、Budweiserも毎回3-4本出稿するSuper Bowlとビール各社が愛国心を掻き立てるキャンペーンを展開する独立記念日のタイミング。Super Bowlでは"If We Made It"(もし私たちがSuper BowlのCM枠を手に入れたなら...)をコンセプトに、架空のCM検討プロセスをYouTubeで展開した。最近のSuper Bowlでは本番前に本編を公開したり、ティザー篇を公開するので、その流れに乗って話題となった。(参照: メディアコストをコンテンツへシフトし、ビッグブランドと勝負)

そしてSuper Bowl2015では昨年のように統一的なコンセプトで展開するのではなく、五月雨式にアンブッシュを展開していく模様で、第一弾は"Chores"。Super Bowlの名物キャンペーン"Doritos Crash the Super Bowl"のパロディとなっている。"Crash the Super Bowl"は広くCM作品を募集し、一般投票の末、上位3作品がSuper Bowlの放送枠でオンエアされ、翌日発表されるCMランキングの結果に応じて最高100万ドルのボーナスがあるという企画だけど、"Newcastle Brown Ale"がこのコンテストに応募するという設定だ。


Doritosにはモザイクをかけつつ、"Newcastle Brown Ale"は断然目立っている。演出は"Crash the Super Bowl"は過去の入賞作品を踏襲している。

第二弾"Bands of Brands"は女優のAubrey Plazaを起用。Super Bowlの30秒CM料金は450万ドルと高すぎて"Newcastle Brown Ale"だけでは手が出ないから、弱小ブランドがたくさん集まって出稿しようぜ! という企画で、その為にCM本編にバナー枠を設定するから、希望ブランドは連絡ちょうだい! とAubrey Plazaが呼びかけている。

"シェアリングエコノミー"とか"フットボールはチームスポーツだ。広告だって同じだよ"といった決め台詞で締めくくっている。この"Bands of Brands"を発展させるのか、新展開があるのか...Super Bowl2015が開催される2月1日まで2週間で更なる展開が期待されます。
※追記:完成したのがこのフィルム。かなり多くのブランドが賛同したようです。