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カンヌライオンズ2014〜Innovation部門


2013年からスタートしたInnovation部門の受賞作品が発表されました。Innovation部門は広告業界以外にも、発明者、デザイナー、データサイエンティスト、ソフトウェアエンジニアなどが参加し、最も多様性が進んでいるカテゴリー。昨年受賞した"Cinder"はオープンソースのソフトウェアながら、そのスポンサー的存在であるBarbarian Groupの名でエントリーし、受賞したことで色々と物議が醸されましたが、今年のグランプリは...
MegaFon's Pavilion in Sochi
ソチ五輪会場にオープンしたロシアのモバイルキャリア“MegaFon”のパビリオン。Pin Artの原理を応用し、来場者のSelfieを3Dで表現する装置であり、ロシア初のグランプリ作品。
受賞理由は革新的技術・カンヌの枠を超えるスケール感があり、"Selfie"という習慣を捉えると共に、ドラマティックなほど美しい仕事であるということ。昨年受賞したのがクリエーターの為のソフトウェアであったのに対し、今年はズバリ広告そのものが受賞した。

惜しかったのがテニスを変える!と言われているラケット"Babolat Play"
ショットのパワー、ストロークタイプ、ボールインパクト位置、ボールのスピンの種別などのデータを、ワイアレスで携帯端末やPCに集積し分析できる仕組み。但し、センサー部分だけを購入し他メーカーのラケットのグリップ部分に装着することは、まだできておらず、専用ラケットを購入しなければならない(昨年末に$399で発売)。電通のプロジェクトに似た発想ですね。

また、"POINTS"の評価も高かった。
観光地の方角表示のデジタル版といった趣向。FoursquareTwitterなどと連携し、今あなたが行くべき場所を表示してくれる。既にBrooklynで導入されている。

ブランドに関連するInnovationとしては"Fiat Live Store"の評価が高かった。
ディーラーに訪れ、販売員のアドバイスを受けながら、車を吟味する...これをオンラインでやってしまう企画が"Fiat Live Store"。カメラ付きの専用ヘッドセットを装着したディーラーが、人の目線でライブ案内する仕組み。カラーバリエーションやパーツのバリエーション展開も、顧客の要望に合わせて画面に表示。試乗に誘導する非常に効率の良さそうな仕組みだ。