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Campaign, more than anything

カンヌライオンズ2014〜PR部門


PR部門の受賞作品が発表されました。グランプリは...
The Scarecrow(Chipotle)
メキシカンブリトーのチェーン店"Chipotle"による、大規模畜産システムによる食糧生産と、そこから市場に出回る食品の安全性を問いかける作品。"Chipotle"は "Back To The Start"で2012年にもグランプリを受賞している。
キャンペーンはYouTubeで最初の4週間をスタート。その後、PRと新聞でプッシュし、最後はインタラクティブゲームやモバイルクーポンをリリースし、店頭集客に繋げた。マス広告を先行して使用せず、ネットで火をつけてから、広告でドライブさせる最近の典型的なキャンペーンですね。
選考理由は兎に角"Storytelling"が秀逸。コンシューマの感情を十分に動かしているとのこと。食の安全について考える機会を提供するというソーシャルグッド的要素と、共感できるストーリーという要素がうまくミックスされているように思います。


グランプリにはならなかったものの、一連のVolvo Truck"Live Test Series"は評価が高かったようです。


YouTubeビデオのHook(つかみ)と商品としてのHook(牽引フック)の強さをひっかけた社長の洒落と驚愕のトライアルが素敵な作品。

これも無茶ですね。車高が高く、底板が丈夫で障害物が気にならないという特徴を訴求。
他にはHoney Maid"This is Wholesome"が好評だった。
グラハム粉で作られた健康に良いクラッカー"Honey Maid"。家族の幸せそうなシーンに商品をプレースメントするよくある表現だけど、そこにゲイカップルの家族が含まれている。

このTVCMをオンエア後、LGBTを容認できない人たちから非難メールやTweetがあった。そして、これがその切り返し。非難のTweetやメールをプリントアウトして、その紙を使ってアート作品"LOVE"を作り、非難の返答として差し出した。
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仕込み感があり、日本では相当白けそうな物語ですが、それが欧米では評価されるという、文化の違いを感じる作品です。"Storytelling"的な話になると、いつもそれを感じずにはいられません。