あなたの心の中に「007マインド」はあるのか?

敵を追いかけたり敵に追われたり。その過程で想像を絶するスリリングな出来事に遭遇する。それがJames Bondだ。そして、そんなマインドは誰の心の中にも少なからず宿っている、というのが“Unlocked the 007 in you”なるCoke Zeroのキャンペーンのコンセプトだ。
場所はどこかの駅。何気なく自販機でCokeを購入する。すると自販機の傍らに居たバイオリニストが007のテーマを演奏し始める。そして、自販機にバンドルされたタッチパネルの指示に従い操作すると、「70秒以内で6番プラットホームへ行け!」なるメッセージが表示される。
そして、6番プラットホームへ向かう道すがらには様々な障害が待ち受けている。流石に007のようなハードな障害では無いがそれなりにボンド気分は味わえる。そして、無事70秒以内で到着すると劇場チケットがもらえるという仕掛けだ。

映画タイアップというと、販促キャンペーンやTVCMでの映像素材活用といった形式が多かったけど、こういう活用法はあまり見ない。「誰でも007マインドを内に秘めている」という少々強引なターゲットインサイトが企画のユニークさを決定づけているように思います。

揺れるスタジアム

スポーツ観戦をより楽しくする材料がデータであるということは、テニスやフットボールなどの中継を見るとよくわかる。恐らく、ソーシャルメディアでの論争もより活発化させているのではないかと思う。チームマネジメント目的ながら、最近では、Nikeやadidasといったスポーツ用具メーカーもシューズを通じてトラッキングするツールを開発している。ああいうのも、いずれ放送と関わって来るのでは無いかと思う。
今回、Nikeが計測したデータは「スタジアムが揺れている」と言われる程凄まじいアルゼンチンの人気クラブ“Boca Junior”のファンの応援。その“Boca Junior”が出場するアルゼンチン・カップ決勝が行われたSan Juan Stadiumに地震計測器を設置し、実際に揺れを測定した。

これまで計測されたデータはプレイに関するものばかりだったけど、観客に関するデータを計測するというのも面白いかも知れない。スタジアムの揺れを放送と共に表示したり、最も揺れた場面を振り返ったりする等、活用方法は色々ありそうです。
ちなみに、San Juan StadiumではなくホームのBOMBONERAは相当古いので「揺れ」はもっと酷いように思います。

Jay-Zがオバマを強力に応援

桑田佳祐やMr.Childrenといった日本を代表するミュージシャンが野田佳彦や安倍晋太郎といった政治家を応援し、選挙ビデオに出演したり、出演する野外ライブの巨大スクリーンに政治家達を映し出し、ファンに対して政治的メッセージを発信するということが今後起こりうるだろうか?
少なくとも米国・オバマ陣営ではそういったことが日常的に行われている。例えば、少額の寄付をするとSarah Jessica ParkerやJay-Z & Beyonce、George Clooneyの自宅で開催するパーティに抽選で招待するというようなことまで。そして、選挙目前の今、リリースされたこのJay-Zが出演するビデオはオバマの強力なチカラになるだろう。そして、ビデオに収録されているJay-Zが出演する野外ライブ“Made in America Festival”(スポンサー:Budweiser)の巨大スクリーンを通じてオバマがファンにメッセージを発信している光景も日本人にとっては驚きに値する。

選挙運動がここまで派手になることに賛否はあると思いますが、国民が関心と希望を持てる選挙というのも少し羨ましく感じます。

トラベルエージェンシーが描く旅は「同性愛結婚式に出席する花嫁の父親の旅」

企業にとって人種や性別に関わらない雇用等の機会提供という点で多様性尊重は随分浸透してきたように思うが、マーケティングとしてその分野に踏み込むことはとても勇気が必要だと思う。
ホテルや航空券、ツアー予約サイトのExpediaがリリースしたこのビデオ“Find Your Understanding”は、娘の同性愛婚のセレモニーに出席する為に旅する父親の物語だ。

オバマが同性愛婚を支持したからかどうかわからないが、最近ではOreoなど、幾つかのブランドがオフィシャルに同性愛婚を認める発言をしている。しかし、米国ではキリスト教右派の団体を中心に同性愛婚を認めない人が多く存在し、不買行動に出られるリスクもあるので非常に勇気ある行動だと思う。

check-in数とは、現在同時に関係を持っている異性の数

Foursquareは位置情報のSNSであり、かなりの若者たちがこのツールを使って日々check-inを行っている。そして、その若者たちは、複数の異性と同時に付き合い、とっかえひっかえ相手を変え、日々セックスを楽しんでいる。そんな行動に目を付けた一風変わったAnti-HIV CMをFoursquareがリリースした。
セクシーな男と女、抱き合い、キスをし、そして男が女のパンティを下ろそうとした瞬間、女性の大切な部分にGoogle Mapのアイコンが現れ、"Ryan Smith and 19 others were here"の文字が現れる。
つまり、Ryan及び19人の男がcheck-inしている(=多くの見知らぬ男と関係を持っている)から、HIVのリスクがあるよ!という意味だ。CMは男性啓発用・女性啓発用2パターン用意されている。


Fousquareではメイヤーになることは嬉しいことだけど、この場合はメイヤーであっても注意が必要だし、検査を受けるべきだという忠告ですね。