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Campaign_Otaku

Campaign, more than anything

StoryTellingの祭典~著名人の死の瞬間を体験したり、鳥の気分を味わったり、イラン革命をサバイブしたり。

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StoryTelling.

特に新しい考え方というわけではないけど、数年前バズワードになったこのワード。現在でも廃れることなく定着している。テクノロジーが急速に進化して、技術自慢になりがちな企画を諌める意味でも大切な考え方ではあります。

このストーリーテリングのフェス「Future of StoryTelling Festival」(FoST FEST)が10月7日~9日までNYCで行われた。かなり多くの作品が出品されたんだけど、ざっと見た感じで気になった5作品をピックアップした。

Famous Deaths

Polymorf with Frederik Duerinck, Marcel Van Brakel & Mark Meeuwenoord

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音や香りの再現効果によって、アメリカの二大アイコン、ケネディ元大統領とホイットニー・ヒューストンの死の瞬間を、遺体安置所にある冷凍保存庫(写真)の中で体験できる。

ケネディの場合、ダラスの秋に吹く風、隣りに座るジャクリーンのパフュームやリムジンのレザー、排気ガス、そして、血や脳みそ、火薬の香りと銃声、パレードの喧騒などを駆使して、1963年の悲劇的なあの瞬間を体験する。

ホイットニーの場合は、彼女の遺体が見つかったバスタブをイメージし、水がバシャバシャする音や彼女が使っていたシトラスのキャンドルの香りなどを駆使している。

こういうのってVRゴーグルを使用するパターンならありそうだけど、そうではないというのがいいです。

(via Famous Death)

 

Birdly

Max Rheiner & Somniacs

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VRゴーグルを使った作品は多かったんだけど、全身を使った鳥体験は興味深い。ゴーグルで鳥の視界を得て、扇風機で風を受けながら、両腕を羽の如くパタパタさせる。2年前に初期版を見たんだけど、筐体がより洗練されていて、VRゴーグルの精度も上がっている。「鳥のように空を飛びたい」が定番の夢だけに魅力を感じる。

(via SOMNIACS)

 

New Dimensions in Testimony

The USC Shoah Foundation

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家族全員が強制収容所で命を失いながら、ホロコーストを生き延びたPinchas Gutterの体験談を「3D AI インタラクティブ・ホログラム」を通じて聞くことができる。

これに先駆け、Gutterは50台のカメラで取り囲んだスタジオで、1週間に渡り数千の質問に回答。あなたのホロコーストに関するあらゆる質問に、彼が目前でリアルタイムに答えているかのような体験ができる。

戦争体験は本で読むより、テレビで見るより、直接聞くに限る。技術でこの壁を越えられるのは素晴らしい。

(via New Dimensions in Testimony)

 

1979 Revolution: Black Friday

iNK STORIES

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Black Friday」とは、感謝祭翌日のショッピングデーではなく、1979年9月4日に戒厳令下のテヘランで5,000人の抗議者がデモに参加し、80人近い参加者が軍の発砲により射殺された事件。

主人公であるフォトジャーナリスト「Reza Shirazi」になって、パフラヴィ朝の圧政下でシーア派が繰り広げた激しい抵抗活動によって革命の炎に包まれたテヘランの街を探索し、歴史的な資料や写真を交えながら歴史の真実を追体験するアクションアドベンチャーゲーム

映画「アルゴ」を思い出す。ゲームを通じて歴史を知る。いいじゃないですか。

(via 1979 Revolution: Black Friday)

 

Across the Line

EMBLEMATIC

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中絶反対派の総攻撃をくぐって中絶クリニックに到達しようとする女性の疑似体験ができる7分間のVRプロジェクト。中絶反対派の本物の音声を体感できるそうです。

ロー対ウェイド事件」から43年。中途半端な数字ですが、今年の中絶反対派の抗議は結構すごかった記憶がある。DCに新設される「中絶クリニック」の建設現場で大きな騒動があったけど、そういう事件を受けた流れなのかも知れない。

但し、個人的にはVRで思想統制する未来を想像し、恐怖を感じた。共産主義者や新興宗教のやり方をテクノロジーで近代化させる方法論がアメリカから出てきたことに驚いた。

(via Across the Line)