カナダの小学校の校庭にベンチを置いて、ちょっとしたルールをつくるだけで、「いじめ」問題がかなり改善されたという話
当事者でなくても「いじめ」のニュースにはいつも気が重くなります。ほとんど出口のない問題のような気がしていますが、カナダのサスカトゥーンにあるWillowgrove Schoolでは、校庭に1つのベンチを設置するだけで、状況がかなり改善しているそうです。
このベンチの名は"Buddy Bench"。直訳すると「友だちベンチ」。ルールはとてもシンプルで、休み時間に遊び相手がいない場合、このベンチに座ります。すると誰かが誘いにやってくる。そして、一緒に遊ぶ、それだけです。
要するに、仲間はずれにされている子供が埋もれて、孤立してしまうからこそ、いじめが発展していくのであって、可視化して、みんなに知らせる、そして「そんな子を見つけたら声をかけて一緒に遊ぶというルールを加える」ことで問題解決につながるという発想です。学校には意地悪な奴もいるけど、心優しい奴もまた必ずいるわけで、そういった子たちが一緒に遊ぼうと手をさしのべることで、そういう良いムーブメントが学校中に広がっていくようなことなのかなと思います。
Buddy bench a big hit at Willowgrove SchoolSometimes, it's good to have a buddy.Full story: http://www.cbc.ca/1.3505066via Leisha Grebinski & #SaskatoonMorning
Posted by CBC Saskatoon on Thursday, March 24, 2016
実際に、どの程度の時間待てば、新しい友だちはやってくるのか? 7才の男の子に対するインタビューによると、「1分」ほど。あっという間です。雪が降って寒くても待てる時間です。
この学校の生徒は、かなりこのシステムを気に入ってるみたいです。今まで大事だった「いじめ」が、寂しい思いをしたら、ただちにここに座って、みんなに友達を必要としていることを知らせるだけで解決、という単純なシステムがうけている感じです。「これまでに新しい友達と遊ぶケースをたくさん見たよ」とこの男の子は言っています。
このベンチが、どこでも同じような効果を発揮するかどうかはわかりませんが、ベンチとルールづくりだけで導入できるなら、日本の小学校で一度試しにやってみてもいいのではないかと思ったりする次第です。
(via Fast Company)