DISRUPTORS 破壊者たち
年末の飲み会で「この1年、"Disrupt"というワードをよく見たよなぁ」みたいな話になった。確かに言われてみればそうだなと思った。"Disrupt"とは直訳すると「崩壊させる」という意味で、要するに伝統的なモデルを破壊し、新しいモデルを構築することを意味している。有名所ではUberとかAirbnbみたいな企業で、時々、彼らは"Disruptor"なんて呼ばれている。ビジネスメディアでも、"Disruptor 100"とか"Disruptor Ranking"なんていう特集を時々見かけた。
12月の上旬、NYCで開催された"Break the Banks Hakkathon"なんてそに典型だ。直訳すると「銀行破壊ハッカソン」。4年前に起こったアメリカ経済界への抗議行動"Occupy Wall Street"にインスパイアされ、NYCで開催されたハッカソンで、フィンテックを使って新たな金融サービスを開発し、既存の銀行ビジネスを切り崩していこうという野望が込められている。「進化ではなく革命を起こそう」という呼びかけの元に、銀行員、起業家、プログラマーなど100人が集まった。
この野心的なハッカソンを主催したのは英国の銀行Disruptorとして名高い"TransferWise"。元Skype・元Paypalのエンジニアが、海外送金の手数料で、こっそりボロ儲けする銀行サービスを打倒すべく立ち上げた会社で、外国為替の手数料を10分の1に下げることを実現。既に、英国で5%のシェアを獲得しており、2016年にはニュージーランド、シンガポール、香港、日本に上陸する予定。
TransferWiseは、RIP Hidden Fees(隠れたフィーよ、そようなら)なんていうフレーズの刺激的なキャンペーンというか「デモ」も実施しております。この他にも「隠すモノは何もないぞ!」と下着姿で街を練り歩いたりして、彼らは常に銀行や当局と戦っている。常に「革命」を意識している気がします。
こういったDisruptorsにとっては、既存市場や規制と戦い、自分たちの陣地を確保し、それを拡げていく革命こそがビジネスであり、また、絶好のブランディングになっている。自分も仕事の中で、ブランディングなんていう言葉を使ったりすることが時々あるんだけど、広告的なブランディングなんて、少しちっぽけだなと感じるし、広範なセクターで起こるDisruptorsと既存企業の戦いで、そんなブランディングが通用するとも思えないと感じた次第です。
結局、Disruptorsに対抗するには、Disruptorsのように思考し、行動することしかないし、そこを徹底的に鍛えなければ、と思いながら、2015年を終えようとしています。
(via Business Insider)