美しいデータ
優れたデータビジュアライゼーションを表彰する"Kantar Information is Beautiful Awards 2015"が開催されました。2012年から始まった、まだ歴史の浅いコンペティションですが、年々、クオリティが上昇して、見応え十分です。
Data Visualization部門GOLD:Vaccines and Infectious Diseases(WSJ)
ワクチン接種後、何らかの病気に感染した人数を約70年間・50州で計測した結果。上図はMeasles(はしか)についてだけど、実際はA型肝炎・B型肝炎・おたふくかぜなど、7つの病気について調査しています。また、WSJのサイトでは、グラフにポインタを当てると、数値が表示され、非常にみやすくなっている。
Infographics部門GOLD:Rare Earth Elements(Mark-Jan Bludau)
スカンディウムのようなレアアースのリストと用途についてまとめられたポスター。全部で5種類あります。恐らく、こういったまとめが今までなかったのかも知れません。
Interactive部門GOLD: How quickly Ebola spreads compared to other diseases(Washington Post)
エボラ出血熱など、10種類の伝染病拡散時、どの程度の期間(1日~78日間まで)で何人が感染し、何人死亡するのかをシミュレーションできる。
Motion Infographics部門GOLD: The Fallen of WW2(Neil Halloran)
第二次世界大戦の戦没者が、どこの国の出身なのか、どのようにして亡くなったのか、「何千万人」という数字を視覚化。改めて第二次世界大戦の犠牲の大きさがわかる。
Data Journalism部門GOLD:German Unification(Zeit Online)
1989年の東ドイツとの統合から25年。そのレガシーがどれほど残っているかについての特集記事。これは、2013年段階で旧東ドイツ地域での銃保有率を示したグラフ。その他にも収入やインフルエンザ予防注射摂取率、デイケアなどについてまとめられたグラフ、ビデオなど、多様なコンテンツで構成されている。
The Mini and Mobile Visualisation部門GOLD: How to Build a Human(Eleanor Lutz)
人間ができるまでの物語。内容とは別にGIFが美しい。
Data Visualisation Project部門GOLD+Most Beautiful Award: Dear Data(Giorgia Lupi , Stefanie Posavec)
LupiとPosavecが人々の生活に関するデータを収集し、手描きでビジュアライズし、ポストカードでやりとりするというプロジェクト。手描きはかなり新鮮です。おもしろい。
Best Team Award: Berliner Morgen Post
Berliner Morgen Postは、3つのプロジェクトが評価されたんだけど、1つ目は"Here’s How Loud It Is at Your Doorstep"。ベルリン市内の騒音状況についての調査記事。
2つ目は"M29 – The Bus Route of Contrasts"。ベルリンのバスルートM29沿線に特化した調査記事。
3つ目は"Where the Population fo Europe is Growing – and Where’s it’s Declining"。欧州のどこで人口が増加し、どこで減少しているのか。
全てにおいてUIが素晴らしいのは言うまでもないですが、調査のテーマや深さがグレートです。新聞系などニュースメディアが数多く参戦しておりますが、残念ながら、日本のメディアは、こういった分野にはまだ積極的な感じではなさそうです。特に新聞は、それだけ紙に拘っているということなのかも知れません。
※数が多くて全てを紹介できているわけではないので、全てのリストはこちらを参照下さい。
(via Creative Review)