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カンヌライオンズ2014〜Media部門


Media部門の受賞作品が発表されました。グランプリは...
Happy ID(Coca-Cola)
ペルーの経済環境は良くなっているにも関わらず、国際調査によると人々は幸福を感じておらず、笑顔が少ない。そこで、Coca-Colaが主導して、人々を笑顔にしようという企画。人々を笑顔にする為のメディアとして採用されたのが、フェイストラッキング技術を用いた笑顔になった人にだけシャッターがおりる証明写真キオスク。写真を撮ればCoca-Colaがもらえる機能もついたこのキオスクをRENIEC(国家個人登録所)付近を含む国内30箇所に設置した。
また、Coca-Colaはこの施策を通じて獲得した個人情報を二次活用したキャンペーンも展開した。
この作品が評価されたのは「証明写真キオスク」という特異なメディア活用や政府機関との連携。結果として、政府が発行するIDの90%以上が笑顔になったことも高い評価につながった。

"Happy ID"は完勝だったようですが、他に注目されたのは
"Kan Khajura Tesan"(Unilever)
北インドのBIHARとJHARKHANDは人口1.37億人の電気もままならないエリアでトラディショナルなメディアは発展していないが、一方で86%の人がモバイルフォンを活用していることに目をつけ、モバイルフォンをラジオとして活用するメディアを展開。音楽やジョーク、ボリウッドコンテンツを24時間提供した。最初の6ヶ月間で800万人のリスナーを獲得し、1人あたりの聴取時間も非常に長いとのこと。

また、"Rescue Radio"(Sawa Mninjah)の評価も高かったようだ。
レバノンには20万人の外国人労働者(フィリピン、スリランカ、エチオピア)がいるが、彼女たちの多くが暴力の対象や性奴隷化している現状がある。そこで4つのラジオ局と協力し、彼女たちに支援を呼びかけるラジオCMを展開。各々のCMは彼女たちの言語でつくられ、ヘルプダイアルや励ましのメッセージをレバノン人にはわからないように埋め込まれた。

更に“Bank Job”(Brother In Arms)
子供や若者を支援する非営利団体のBrother In Armsは、企業からの寄付を募るためにネット上の送金システムを活用。"押せば寄付の見込みがありそうな"企業に対して少額のお金を何度も繰り返し、送金。企業にとっては"何この言われの無い入金は?"となって確認すると、所謂通帳の備考欄にメッセージがある。メッセージは繰り返し入金される備考欄全てに記されており、続けて読むと1つの"寄付よろしく"的メッセージになっている。しかも、最終的には"入金エラー"を意図的に出す為、企業側はお金を返さなければならず、その際、連絡をとることになるので、そこで寄付を要請される羽目になる。そして、直接言われると断りづらいのがこの種のことだ。
何と狡猾な企画だろうか? ソーシャルグッドに使う金だけど、集め方は法律ギリギリというか。