Campaign_Otaku

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2012年Campaign_Otaku Best10


今年も残す所僅かとなりましたが、このブログの総括として私的なベスト10を発表します。「アクセス数が多い」「話題になった」とかではなく、あくまでも自分の好みということでご容赦下さい。
#10:Crane Lifting Up Crane Lifting Crane...(LIEBHERR)


建設機械ブランドのLIEBHERRが新型クレーンが最強のクレーンであることを実証する為に、小型クレーンが中型クレーンを持ち上げ、その中型クレーンを大型クレーンが持ち上げ、その大型クレーンを新型のクレーンが持ち上げるという驚愕のパフォーマンスを実施。
イベントそのものは地味だけど、完成形の画が素晴らしく、気に入りました。
※詳細:クレーン車がクレーン車を持ち上げ、そのクレーン車を別のクレーンが持ち上げ...驚愕のクレーン車パワー自慢
#9:The Popinator(Popcorn Indiana)


ポップコーンという定番のお菓子を売る為に、「ポップ!」と言うと自分の口元までポップコーンを一粒飛ばしてくるマシンを開発。気分が乗っている時には口に放り込むようにして食べるポップコーンの食習慣や「ポップコーン」という商品名が持つ弾け感などを捉えた斬新なマーケティングではないかと思いました。
#8:Bullet(BMW M5)

BMWを銃弾に見立てたヴァイラルビデオ。BMWの美意識を強く感じました。
#7:Bottle-Shape Vinyl Bag(Coca-Cola)


貧しさのあまり、ボトルのコストが支払えないとの理由でビニールバッグにコーラを入れて販売しているエルサルバドルのとある地域の為に、Coca-Colaのボトル型で捨ててもゴミにならずに自然に帰る環境に優しい素材でバッグを開発。
Coca-Colaのような超巨大企業による小さな貧しいエリアへの気配りが印象的でした。
※詳細:やむを得ずCoca-Colaをビニール袋に入れて飲む地域の人々に対する「愛」のある行動
#6:Prometheus in Ted Talks


Ridley Scott監督の大作映画“Prometheus”の劇中に登場するヒューマノイドロボット開発企業、Weyland Industries社のCEO“Peter Weyland”が2023年の架空のTed Talksで「ヒューマノイド・ロボティックシステ」に関するスピーチをするという仕掛け。勿論、Ted TalksのWebSiteにも何食わぬ顔してビデオがアップされていた。組み合わせの意外性に感動しました。
※詳細:TED Talksをキャンペーンに組み込むウルトラCが実現
#5:Move to the Beat of London(Coca-Cola)


DJのMark Robinsonが卓球、空手、短距離走、アーチェリー、体操などでオリンピックを目指す世界中のアスリートを訪問し、彼らが発する様々なサウンドを収録。それらの音で音楽を創るというコアアイデア。これがTVCMになり、現地のパビリオンのコンセプトになり、更には、アスリートのライブパフォーマンスを組み込んだショーまでプロデュースした。
これまでの五輪のキャンペーンは正攻法多かったように思うけど、これはスポーツと音楽の結び付け方に新しさを感じました。
※詳細:アスリートの動きが音楽になる!
※パビリオンについて:DJ気分でアスリートのシズル音をリミックスできるCoca-Colaの五輪パビリオン
※Mark Robinsonの創作活動に関するドキュメンタリー(Direction:Kim Gehrig)もリリースされた。これはそのトレーラー。

#4:Cane's Arcade


9才の少年“Caine Monroy”が段ボールで作ったアーケードゲームを並べたゲームセンターをLAの父親が営む自動車修理店にオープンさせ、満員御礼の超人気となり、奨学金22万ドルの調達に成功した。ここまででも十分に素晴らしいが、話は更に発展し、“Cane‘s Arcade”が反響を呼び、青少年の教育を支援する非営利団体“Imagination Foundation”が立ち上げられた。
“Imagination Foundation”「段ボール」を使った創作活動を未来の技術者を育てる手法として全世界的に普及させるべく、まず、小学校のプログラムとしての普及を図り、最初の二ヶ月で9カ国100校でカリキュラム化を実現。10月6日には、“Global Cardboard Challenge”を立ち上げ、米国をはじめキューバウガンダ、豪州、ドイツなど世界40か国270か所で段ボールでゲームセンターを創るイベントが開催された。
1人の少年のアイデアが世界に波及する素晴らしいケースだと思いました。また、段ボール空間の温かさも印象的で、TVゲーム世代の子供たちが楽しんでいるのを見て、ここに遊びの本質があると感じました。
※詳細:9才の少年が作ったゲームセンター
※詳細:1人の少年が発明した段ボールのゲームセンターが「知育」の新境地へ発展
#3:Red Bull Stratos


冒険野郎“Felix Baumgartner”が、1960年にJoe Kittingerによって樹立された102,800フィートというスカイダイブの世界記録更新に成功。128,000フィート(約39km)からダイブし、落下速度はマッハ1.24と想像を絶するスピード。ダイブしてからパラシュートを開くまでのフリーフォール時間は4分19秒。総ジャンプ時間は9分3秒。
2年以上の準備期間、あらゆる面でのスケールの大きさ...これを外さずにはいられません。
※詳細:スカイダイブ世界記録への挑戦、遂に決行! そして成功!
#2:BUYRAL - Professional Clicking

Youtubeの視聴数を吊り上げる為にアウトソーシングを利用している」という風刺ビデオをカナダの広告代理店“John St”がリリース。実際にサービス提供しているかの如く、WebSiteまで作って「500万クリックで$32.99、2500万クリックで$59.99」と値段を表示していた。
その後、ソニーミュージックユニバーサルミュージックによるYoutubeの不正クリックが発覚したり、不正の種類は異なるけど、ペニオクに関連する芸能人のブログ問題により、不正について考えるようになり、このビデオのことを思い出した次第です。
※詳細:これは真実か? ヴァイラルマーケティングの裏側に迫る
#1:The Information is Beautiful Awards




今秋、“Data Visualization”に関する第1回の国際的なアウォードが開催された。今までも、急成長分野だと思って注目はしていたけど、こうやってまとまってクオリティの高い作品を拝見すると、何倍ものインパクトを感じた。残念ながら日本の受賞者はいないし、あまり国内でこの分野の先行的事例を目にすることも無い。来年は、この分野の達人が日本から現れるのか、ということも注目したいです。
※詳細(各部門賞を受賞したグラフィック/映像作品を掲載しています):世界で一番美しいData Visualizationはこれだ!