Campaign_Otaku

Campaign, more than anything

スーパーボール史上最高の視聴率の中、史上最高に気を滅入らせるCMがオンエアされる悲劇


450万ドル(30秒)の超高額TVCM枠に投資し、オンエアされたこの60秒CM(なので料金は450万ドルの2倍またはそれに近い金額と予想される)にはこんな不名誉な見出しがつけられている。"This Is Probably The Most Depressing Super Bowl Ad"(恐らくスーパーボール史上最も気を滅入らせるCM)。出稿しない方が良かったのではないか...という悲惨な結末であり、こんな時に限ってスーパーボール史上最高視聴率49.7%を記録した。

カワイイ少年が"僕ができないこと"として"自転車に乗れない、空を飛べない、旅行ができない、結婚ができない..."と語る。なぜなら、この少年は死んでいるからだ。これは米国の子供の死因No.1が"家"...風呂での溺死、異物を口に入れる、TVの下敷きになる...であることを伝えるCMであり、広告主は保険会社の"Nationwide Insurance"だ。
この事実はほとんど知られていないため、インパクトがあり、また注意喚起になると判断し、採用された表現のようだが完全に裏目に出た模様。Twitterの反応はすこぶる悪く、"Nationwide Insurance"があざといブランドとして見なされている。RwtweetやFavotite数も多い。

最もRwtweetやFavotite数が多いのがこのTweet。"僕はケイティ・ペリーのハーフタイムショーが観れない"と、CM演出を逆手に取った皮肉を食らわしている。

1つ前のCMがNFLのCM"No More"。昨年、Ray Rice(レイブンズ)が起こしたDV事件に対する反省の気持ちを表す作品で、ピザ屋に電話するふりをして911に電話する、実録の緊急電話音声を活用している。これが好評だったたようで、その落差も大きすぎたのではないだろうか。

約9億円を投じて、大きなダメージを得るという...担当者の胸中察するにあまりあります。