Campaign_Otaku

Campaign, more than anything

ファッション界の革命を目論むUKのブランド

f:id:y_sequi:20150611214800g:plain

ロンドンのファッション・スタートアップである"Knyttan"はセーターとスカーフだけながら、普通ではない売り方をしている。ユーザーはまず、"Knyttan"のWebサイトを訪問し、オンラインツールを使ってセーターやスカーフのパターンと色を選択し、欲しい服をデザインし注文する。線を太く(細く)したり、反転させたり、グリッチしたりもできるらしい。

その後、ロンドン中心部にある店舗を訪れ、現物を受け取るという流れ。ユーザーからの注文(データ送信)後、店内のニットマシンが稼働し、スカーフなら20分、セーターなら1.5時間で完成するとのこと。このニットマシンは世界中で普及しているマシンで製品はすべて100%メリノウールで作られている。

今、ファストファッション界では途上国の安い人件費で大量生産するという流れがある訳ですが、それにはリードタイムの長さとか製品あたりの発注量の多さ(細かいデザイン違いを製造できない)とか、劣悪な労働環境とか色々問題があって、そういうのをどこにでもあるニットマシンを使ったローカル生産体制やユーザー主導のデザインカスタマイズによるフェアプライス商品に変えていこう、そして業界に革命を起こしたい...という信念の元、やっているそうです。
Nike iDも似た所はありますが、ローカル生産ではないので手元に届くまで4週間程度の日数がかかります。一方では世界中に拡がるFab Labみたいなインフラに世界中の個人デザイナーが参加して洋服を作るような流れもありそうなので、プラットフォームをオープンにしてプラットフォームオペレータとしての顔を押し出すのか、閉じることで既存のブランドとのサプライチェーンの違いを主張するブランドになるのか、とか、Knyttanの動きは興味深いです。