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カンヌ・グランプリ速報2〜昨日から一転、従来通り楽しい作品発表に


今日は、今年から新たに開設されたCreative Effectiveness Grand Prix, Mobile Grand Prix, Outdoor Grand Prix及び Media Grand Prixが発表された。
優れた特殊効果の作品に贈られるCreative Effectiveness Grand Prixは、AXEの“Creative Effectiveness Grand Prix”が受賞。
AXEの香に誘われて美しいエンジェルたちが次々と空から舞い降り、エンジェルを止めてまでAXEをつけた男が欲しくなるというAXEらしい大胆なストーリーですが、映像の方はとても繊細な仕上げです。

Mobile Grand PrixはCoca-ColaがGoogleと協働で実施した“Re-imaging Coke 'Hilltop'”。Googleモバイル広告の可能性を発見すべく、大手4ブランドと組んで昨年実施した“Project Re: Brief”の一環だ。
'Hilltop'とは1970年代にCoca-Colaによって放送されたTVCMで、世界各国の人々が丘の上に集まりCoca-colaを手に歌う演出が有名。そして、このコンセプトをモバイルテクノロジーをフル活用して現代風にアレンジするというのが、本企画の趣向だ。
ユーザーはAndroid appsを通じて、世界各国に設置された特殊なベンダーの近くに居る見知らぬ人にCoca-colaを送ることが出来る。送る際には地域を選択すると共にメッセージも添えることが出来る。
一方、Coca-Colaを受け取った人はベンダーにバンドルされているキーボードを使って、メッセージの返信が可能だ。また、喜びのコメントをビデオに収め、ビデオをアップロードすることができ、そのビデオはCoca-colaを贈った人を含め、世界中の人たちが視聴できる(ベンダーでも視聴可)。
一昨年あたりから展開しているCoca-ColaのOpen Happinessキャンペーンは商品や、ベンダー、トラックというCoca-Cola固有のメディアに集中し、人の無意識の行動の中でサプライズを起こし、それがHappinessを生む結果になっている所が素晴らしい。
「もらえるとわかっているCoca-ColaではHappinessは来ないけど、不意にもらったCoca-colaはHappinessを生む」。これは個人的に目から鱗でした。

Outdoor Grand Prixは、Mercedes-Benz“Invisible”とCoca-Colaの"#COKEHANDS"が分け合った。
“Invisible”はMercedes-Benz B-Classに搭載されている排気ガスを出さないF-CELLのプロモーションで、LEDで車体を覆いカメラで周囲の風景を投射することで、「環境に溶け込む車」であることをアピールした。
自動車をカメレオンのようにすることで「エコ」をアピールするという発想が強烈です。

Coca-Colaの"#COKEHANDS"とは、タグラインである"Open Happiness"を定番の商品デザインでミニマルに表現したこのグラフィックだ。シンプルだからこそ美しく、メッセージが鮮明です。


Media Grand Prixは、"Google Voice Search"が受賞。
ロンドンで行われたこのキャンペーンは、新機能のVoice Searchを使って検索できる発音記号のようなポスターを市内の至る所に貼り出した。例えば、Chealseaにはley-tist skohrz(=latest score)とあり、フットボールチームのChealseaのスコアが表示されるという具合。場所・コピー・行動・結果を一致させたメディアプランが必要かされたようです。

初日の昨日は「ご時世を反映した社会派ネタ」だったけど、今日は一転していずれも楽しいアイデアだった。個人的にはやはり、“Happiness”という王道のコンセプトをカタチにし、それを量産するCoca-Colaの一連の手法が素晴らしいと感じました。