Campaign_Otaku

Campaign, more than anything

オンラインからオフラインへ、そして再びオンラインへ


特に食品や外食、お菓子といったセクターでは「お客様の笑顔の為に」というフレーズが頻繁に登場する。そんな誰もが使う定番メッセージをちょっと違う形で発信しようとしたのが、イスラエルのジュースブランド“Prigat”だ。 “Smile Stations”と名づけられたこのキャンペーンはイスラエル国内の主要駅に設置されたインタラクティブスクリーンがオンライン−オフラインを繋ぐ窓として重要な意味を持つ。“Prigat”のFacebookファンたちがこのスクリーンの横を通行する人を笑顔にする為のメッセージを発信し、「元気出た! 笑顔になったよ!」って人はスクリーンに取り付けられた「リアルいいね!」ボタンをプッシュ。すると、その人の笑顔が録画され、メッセージ発信者のFacebookアカウント及び“Prigat”のFacebookページにポストされるという仕掛け。そして、最も多くの笑顔を獲得したファンに素敵なプレゼントが贈られるとのこと。計10,000通のメッセージが送信され、数千の「リアルいいね!」レスポンスがあったようだ。
「お客様の笑顔の為に」というのは、商売する上での原則であってわざわざ声に出すことでは無いと思うので個人的には好きでは無い。例えば、雑誌で「絶品!30の旨い店」という大特集が組まれていると、いつもはページを埋める為に「まずい店」も紹介しているように感じるし、雑誌の場合も「旨い店を紹介する」というのが原則としてあるべきだと思う(その上でどう見せるかが編集者の腕の見せ所だし、それが雑誌と情報誌の違いではないか)。翻って、この“Prigat”のように、「みんなで駅にいる険しい顔した人を笑顔にしようぜ!」というような「ひねり」「主体のすり替え」が入れば嫌な感じはしないです。あくまでも個人的な感想ですが。
それはそうとして、オンラインからオフラインの人に働きかけて、そのレスポンスが再びオンラインに戻ってくるというインタラクティブな仕掛けを通じて、「PrigatのFacebookファンみんなで駅に居る人たちを明るくした」というような「チーム感」を醸成できたとしたら、素晴らしいなと思います。