NYCにばらまかれた20脚の椅子の意味
今、NYCに行くと街中のあちこちに椅子が置いてあるようだが、それを単なる歩き疲れた人たちの休憩用だと見逃してはならない。この奇妙な椅子の仕掛けはMasterCardによる“Check in to the Ballgame”なるキャンペーンで、年間70試合以上が開催されるヤンキースタジアムのチケットを「是非」MasterCardで買ってほしいという願いが込められている。そしてこの椅子は「ヤンキースタジアムの椅子」を意味し、ここに座って椅子に埋め込まれたQRコードをスキャンするとオートマティックにFacebook Placeでチェックインしたことになるという趣向。チェックインが完了するとヤンキースタジアムのVIPシートが当たるキャンペーンにエントリーできる。この椅子は全部で20脚、レストランやショップ、パブリックスペースやヤンキースファンが集まるKatz's Deli, Murray's Bagels, Junior'sなんかにも置いてある。それぞれの椅子にはDoubleheader, Chin Music, Triple Play等、野球にちなんだ名前がつけられているという。
どちらのチームスポンサーも、そのファンにとって掛け替えのない商品となることを目指すわけだけど、そのプロモーション手法って普通のチケットプレゼントとか、選手をイベントやCMに起用するとか、オフィシャル商品をつくるとか、そんな有り体な企画が多かった。しかし、これは相当うまい手口。「スタジアムの椅子」が突然登場するというサプライズにチェックインを組み合わせる発想がありそうで無さそうな感じです。