大統領選さながら、商品の生き残りをかけたキャンペーン
米国シトラス系飲料No.1の“Mountain Dew”が1年間に渡って実施しているキャンペーン“DEWmocracy”が、いよいよ最終フェーズに入った。
2007年、ユーザーの意見を取り入れてリリースされた“Voltage(フレーバー)”がうまくいったのをきっかけに、昨年7月から新たなユーザージェネレーテッドキャンペーンとして“DEWmocracy”を始動。全面的にネットを活用し、3つのフレーバー(Typhoon,Distortion,White Out)とそれらのカラー、パッケージデザイン、ネーミング、広告全ての決定をユーザーに委ねた。そして、現在行われているのは3つの中から生き残る1フレーバーを選択する大統領選さながらの選挙キャンペーン。実際に販売されている3つのフレーバーを飲んでもらい、キャンペーンサイトでの投票を促している。
キャンペーンサイトは、大統領選を彷彿とさせるグラフィックで、州ごとにどのフレーバーが優位に立っているかが表示されている。
「どっちが好き?」といった人気投票的な仕掛けの例は枚挙に遑が無く、それを「選挙」と呼ぶキャンペーンは過去にもあった。しかし、一旦売場に並んだ商品が選挙で敗北したからといって「終売」するケースは私の知る限りではない。この手の企画は、比較的打ち合わせ当初で飛び出し、「現実性」という観点から早い段階で却下されていく類であるが、それを実行までもっていったことに価値があるのではないかと思う。