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Campaign, more than anything

草食系思想とソーシャルキャンペーン




UNICEFが貧困を原因にストリートで暮らすことを余儀なくされている子供たちを救うべく“PUT IT RIGHT(彼らに健康を!)”キャンペーンを立ち上げた。Webサイトでは、何人かの子供たちの窮状を紹介すると共に、ドネーション及び各国政府に支援を要請していくための署名を呼びかけている。また、この現実を広く世に知らしめ、キャンペーンサイトへ誘導するためにTVCMもオンエアされている。
非営利団体だけでなく、企業も含めてソーシャルキャンペーンは相変わらず多いが、それについて(一方的に)尊敬する内田樹先生が興味深い洞察をされている。内田先生によると、リーマンショック以前のような時代は「勝った者が総取りする」というルールでも弱者に行き渡るリソースは充分にあったが、資源に限りがある今は、資源の分配で手荒な方法はとれず、共同体から脱落者を出さない「まずは弱者から」という草食的発想が、強者が一人特権を享受することよりも優先的に配慮されるとのこと。そして、戦争直後の日本は草食系であり、高度成長時代あたりから肉食系になっていった、と語られている(内田先生は、今まで見向きもしなかった募金活動にも協力するようになったらしい)。
なるほどである。「草食系・肉食系」という旬の言葉で社会活動がいかに構造化されているかをわかりやすく解説してくださっている。草食系思想であるソーシャルキャンペーンの波はまだまだ続いていきそうだ。