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ロンドンのサイエンスミュージアム“Chrome Web Lab”オープン



Google I/O 2012で予告されていた“Chrome Web Lab”がオープンした。これはWebの可能性を追求し、世界に提示することを目的とした1年間限定プロジェクトであり、ロンドンのサイエンスミュージアムに展示されたWeb技術の実験を、現地及びWebで体験できる仕掛だ。

実験は“Universal Orchestra”“Teleporter”“Sketchbots”“Data Tracer”“Lab Tag Explorer”の5つで構成されている。
“Universal Orchestra”は楽器を演奏するマシンをシーケンサーを使って世界中のネットユーザーやミュージアムの来場者が操作し、合奏するという試み。

“Teleporter”は360度リアルタイム映像システムを使って世界各地への疑似トラベル体験を提供。しかし、現在は3カ所のみ。インターフェースは未来的です。

“Sketchbots”は自分の顔写真をアップロードするとロボットが似顔絵を描いてくれる。

“Data Tracer”は、世界中の特定の場所をImage Searchで特定し、その画像の保管場所を探し出し、そのサーチスピードを教えてくれる。また、そのスピードが「国際宇宙ステーションが地球の周りを周回するより○倍速い」など、その速さを強調する例を提示してくれる

“Lab Tag Explorer”は、されたオンラインユーザーとミュージアムの来場者が実験に参加し、創ったコンテンツが地図上にマッピングされており、閲覧できる。

また、各実験の背景にあるWebSockets, WebGL, Web Workers, canvas等の技術について学べるようにもなっている。現在はベータ版となっており、適宜アップデートされる模様。
恐らく、単にWebを楽しみたいという人には“Universal Orchestra”と“Sketchbots”で十分で、技術的な関心が高い人にとっては全てが魅力的に映るでしょう。ミュージアムと連携するダイナミックなフレームや、美しいインターフェースなど、とても感動的な仕事です。

世界のメガシティ20都市に展開されるAudi Cityとは?


Appleが世界のメガシティにApple Storeを出店し始めて以来、感度の高い商品を持つブランドがメガシティに拠点を持つことが戦略上とても重要であるとの認識が広まったように思うけど、その波は自動車業界にも到来したようだ。
自動車販売の拠点というとディーラーということになるけど、展示車両の量が多い為、場所は郊外に限定されていたが、Audiがロンドンのピカデリーサーカス付近に出店した“Audi City”は、展示車両は1-2台に留め、1/1サイズの自動車を表示できるコンフィギュレータで多様な車種やインテリア、カラーを体感できるようになっている。
今後、2015年までにAudiは世界20都市で“Audi City”を展開する予定。





以前聞いた話でAudiは自動車販売会社ではなく“mobility provider”と位置づけているらしく、自動車の販売形態そのものを再度デザインし直そうという動きの一環では無いかと予想します。

アイデアはこうやって昇華する


毎日世界中で精製されている企画の中で、1人のチカラだけで創られたモノというのは非常に少ないと思う。普段企画会議に出席すると、誰かの発想に別の誰かのアイデアが加わり、その上に誰かがまたアイデアを上乗せし...という要領でアイデアが提案に値する企画へと昇華していくのがよくわかる。
GoogleがTate Modern(ロンドンの国立近代美術館)と組んで立ち上げた“The Exquisite Forest”は、そんな企画の成長・発展プロセスを可視化することの面白さを表現するプロジェクトではないかと思う。


このプロジェクトは基本的に表現方法をコマ撮りアニメーション限定している。誰か1人のアーティストがどういう方向にアイデアを発展させていきたいか、最低限のルールとベースとなるアニメーションビデオを提示。それに枝葉を付けて木・林として成長させていくイメージで別の誰かが新しいアイデアを投稿していく。ということで参加方法は2つ。1つは誰かのアイデアを発展させるアイデアを投稿すること。もう1つは、自分発のプロジェクトを立ち上げること。

五輪ということもあってか、Chrome Web Labに引き続き、ロンドンでの大型プロジェクトであり、今回も国立ミュージアムとのスケールの大きなタイアップだ。
発展プロセスが分かりやすいとは言え、コマ撮りアニメーションに限定しているので、参加が集まるかどうか心配になりそうなものだけど、それでも積極的にリスクテイキングしてやってしまう「行動力」が開拓者ですね。