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五輪の次はワールドカップ



メッシ、カカ、ランパードドログバというフットボールファン垂涎の豪華な布陣が出演するPepsi Maxのクリエーティブがリリースされた。
Pepsiは、これまでもフットボールのスーパースターを起用したTVCMを展開しており、2002年の日韓ワールドカップの時には「相撲レスラー」が登場。今回は、南アフリカ・ワールドカップということで大平原とアフリカの人々がその象徴となっている。
五輪直後の素早い切り換えしは、オフィシャルスポンサーのコカコーラに対して先手を打ち、ワールドカップが生み出す価値をかすめ取ろうという作戦だと思ふ。

Agency Net その実力を見せつける自社サイト






エージェンシーなるものは、クライアントに贅の限りを尽くしたWebサイトを提案しても「自社サイトは質素倹約」というのが定跡形かな? と思っていたが、それは間違った思いこみであったと深く反省。
Agency Net”なるフロリダとニューヨークに拠点を構えるデジタルエージェンシーのWebサイトを今風に言うと、あまりにも“ヤバイ”、いや“チョーヤバイ”。
トップ画面のオフィスビル(下層階がフロリダオフィス、上層階がニューヨークオフィス)に配置された人は、実は実在の社員で、彼らのTwitterがリアルタイムでフィードされる。クライアント紹介では、タイムズスクエアに飛び出し、その空間をウォークスルーしながら、お目当てのクライアントの看板を発見してクリック! という仕組み。更に、iPhoneでオフィス内にヘリを飛ばしてみたり、つまらないコンテンツになりがちな「フィロソフィ」や「ケイパビリティ」もクールなグラフィックやフラッシュで描かれ、手抜きはゼロ。
基本はつまらない企業紹介サイトをここまで楽しめる形で具現化したこの恐るべき“Agency Net”という集団。「高いんじゃないの〜」と言いながらも、こんな会社に一度でいいから発注してみたい、と、クライアントの方々も憧れるのではなかろうか。ブランド力とはやはり商品力なのだと思ふ。

続きはiPhone(有料)で



勤務している会社による詐欺事件に巻き込まれたファイナンシャルアナリスト“Evan”が主人公となったWebドラマ“Bank Run”がリリースされた。彼女が誘拐され、得体の知れない何か追われ、逃げなければならない“Evan”。ストーリーはインタラクティブな仕掛けになっており、要所でアクションが求められる。そうやってドラマの世界に引きずり込んだ所で「続きはiPhoneで」。2$でアプリを購入するとクライマックスを拝めるというわけだ。
WebとiPhoneを連携させて収益事業化するというこの事例で思い出したのが、昨年秋に発表があった“Level26”。ドラマ“CSI”のクリエーター“Anthony Zuiker”によるdigi novel(Web連動型小説)なる新しい試みで、小説を20ページ読む毎にWebにアクセスし、小説に登場するコードを使ってログインし、映像を見る。そしてまた本に戻るという流れ。


特にサスペンスなどドラマチックなストーリーは比較的メディア横断的な試みがしやすく、この手のコンテンツが先頭に立って配信方法の可能性を広げていくことになるだろうと思ふ。

映画もインタラクティブへ


視聴者の判断でドラマのストーリーが変わる。ネットやDVDの世界で「インタラクティブドラマ」をよく見るようになった。それはネットやDVDで提供するドラマは基本的に1人、あるいは知り合いと一緒に楽しむという前提で成立する。よって、見ず知らずの数百人が一斉に1つの物語を楽しむ映画館という場では「インタラクティブドラマ」は成立しづらいというのがごく一般的な考え方であったと思ふ。
ところが、ホラー映画“Last Call”がブークスルーなさったのだ。映画館入場時に、自分のケータイ番号を提示。1上映あたり1人の客が選ばれ、スクリーンの中で主人公が助けを請う電話をかけると、選ばれた客のケータイが鳴り響く。そして、スクリーンの中の主人公と会話し、主人公の行動に対して指示を出し、その指示によって、ストーリーが変わっていくという仕組み。
こういう仕掛けを思いつく発想力、「客が変なことしたらどうする?」「変な着メロの場合どうする?」というようなネガティブを押し切る行動力、こういう試みに資金がつくというある種の楽観主義にただただ敬服します。

Jay-ZのドキュメンタリーをABSOLUTがリリース



Wolfmother”のドキュメンタリーフィルムや間もなく公開する“Spike Jonze”によるショートフィルム“I'm Here”など、次から次へと一流のミュージシャンやアーティストとのコラボでクールなブランドイメージを訴求し続けるABSOLUT VODKAの次の一手はスーパースター“Jay-Z”をフューチャーしたドキュメンタリーフィルム“NY-Z”。昨年9/11にNYCのマジソンスクエアガーデンで行われたライブのオンステージ&オフステージを中心に描かれているようで、ディレクターは“Wolfmother”の時と同じ“Danny Clinch”。
一般公開に先駆け、Facebookで3/22にプレビューが行われる予定で、Philipsの“Parallel Lines”と同じ仕組み。自分で遊び場をつくって人を呼ぶのではなく、みんなの遊び場に出向いていく方法だ。
Jay-Z”だけに凄い数のファン登録になることは間違いない。(プロジェクト発表以前のファン数は不明だが、現在43万ファン。2日前にこのプロジェクトが発表されたばかりなので、まだまだ伸びるだろう)

Jay-Z & Alicia Keys“Empire State of Mind”(なっ、なんと2800万視聴)