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枯れ果てていく石油エネルギーの現実と再生可能エネルギー時代の到来を感じるキューブ

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EUが支援する再生可能エネルギー推進団体"ACE for Energy"が再生可能エネルギーの必要性を社会に対して啓蒙し、ムーブメントを高めるために2013年に開催したオープンコンペティション"Imagine Energy"で最高賞を受賞した5 CUBE(by De Siún Scullion Architects)のアイデアが形になった。

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この巨大な黒い立方体は何を意味するのか? これはアイルランドが5分間毎に消費する石油の量(473バレルの石油=4.2m3)のメタファーだ。

このキューブの東西面にはそれぞれ1つずつ鏡面がある。東側にある幅50cmの鏡面は5秒毎に生産される再生可能エネルギーの量を石油のエネルギー量に換算して示している。中央にはソーラーパネルが仕込まれたLED製万華鏡風の地球が仕込まれており、夜になるとキューブの内側からライトアップされる。

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その反対の西側にある大きな鏡面は中心部が窪んでおり、2020年までのアイルランドにおける再生可能エネルギーの目標消費量を示している。中央の穴から中をのぞき込むと、不規則に配置された鏡に反射する空の模様を楽しむことができる。空は太陽や風、雨など再生可能エネルギーのリソースとして象徴されている。

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"5 CUBE"は、黒の強化ガラスパネル(粘着性のある石油の黒のイメージ)による組み立て式構造でできており、年々変化する石油消費量や再生可能エネルギー消費量に合わせて大きさを変えることができる。つまり、"5 CUBE"の全てが鏡になる日が来た時こそが、サステナブル時代にとって大きな節目であり、人々は今後、時代遅れで枯れ果てていく石油エネルギーの現実を感じていくことになる。

このキューブは、分解・移動・組み立てを意識して設計されており、現在はダブリンのHanover Quayに展示されているが、今後各地を巡回していく予定とのこと。

変化する石油の消費量と再生可能エネルギーの消費量を1つのキューブで表現するというコンセプトが素敵すぎる。

(via designboom)