Campaign_Otaku

Campaign, more than anything

カンヌライオンズ2014〜Cyber部門


Cyber部門の受賞作品が発表されました。グランプリは何と3つ。
#1.24-hour MV for Pharrell Williams"Happy"(Universal)
史上初24時間という長さの映像にセレブリティやそれ程有名で無い人を含めて300人が数珠つなぎ的に出演し、L.Aの街角で踊りながらひたすら"Happy"を歌い続けるMV(こちら)。
Cyber部門の中の"Cyber Craft"という分野で評価が高かった。24時間どの時間帯にでも飛び込めるインタラクティブ性、インターフェースの良さ、そして、世界中の街角でみんなが"Happy"を踊って歌うという広がりが評価された模様。上半期、この曲を聴かない日は無かったというぐらいのヒットでしたね。

#2:The Scarecrow(Chipotle)
PR部門に続いてのグランプリ受賞。メキシカンブリトーのチェーン店"Chipotle"による、大規模畜産システムによる食糧生産と、そこから市場に出回る食品の安全性を問いかける作品です。
当初ヴァイラルビデオを4週間展開し、新聞広告やPRを経て、Branded Gameやモバイルクーポンへと至るキャンペーンの流れと、特にBranded Gameが評価された。
その評価が高かったゲーム映像がこちらです。クオリティ高いです。

念の為、本編の映像です。

#3.Live Test(Volvo Truck)
Volvo Truckはジャン・クロード・バンダムのEpic Splitの印象が非常に強いですが、トラックの特徴を訴求するユニークな実験ビデオシリーズを展開しており、Epic Splitもその一部。
"Integrated Multi-Platform Campaign and Social"という分野で評価され、常に突飛な演出をしながらも、製品の特長を確実に伝えるシリーズ展開で、ソーシャルで大きな話題になったことが良かったようです。
「突飛」という面ではこれに勝る演出は無い社長出演ビデオ。YouTubeビデオのHook(つかみ)と商品としてのHook(牽引フック)の強さをひっかけた社長の洒落と驚愕のトライアル。「ボルボFMXのHOOKは頑丈だから安心してくれ」と締めくくる社長ですが、実際この撮影は気温8度、風速毎秒10mのイエーテボリ湾(スウェーデン)の海上20mに宙吊り状態で2時間に渡って行われたそうです。

車高が高く、底板が丈夫で障害物が気にならないという特徴を訴求。

そして、ステアリングの安定性をアピールEpic Split。「俺の人生色々あった。凸凹の道、酷い突風...それらが今の自分を作り、そして今俺はここにいる。君たちが今見ているのは完璧なまでに芸術的なボディであり、体力の常識を覆す俺の両足であり、究極の精神だ...」という語りが、前振りとして効いてます。

LIVE TESTのまとめビデオも公開されています。

その他、評価が高かったのは、またもや"Sound of Honda"。毎回グランプリには後一歩及ばない感じです。
Killing Kennedy(National Geographic Channel)も後一歩だったようです。
ケネディ暗殺50周年として、その真実を探る番組に連動したインタラクティブサイトの評価が高かった。左右別々に動く仕組みがとても不思議な感じです。

こちらは番組トレーラーです。

更に、Sweetie(Terre des Hommes)
"Webcam Child Sex Tourism"が急速に拡大。リッチな国の男がフィリピンのような貧困国の少女とWebcam越しに繋がり、セクシャルなポーズを要求し、男はマスターベーションする。そんな男はオンライン上に常時750,000人存在するそうだ。そして、その相手をする少女(6才〜)がフィリピンだけでも数千人居る。にも関わらず捕まった男はたったの6人。そこで、CGでSweetieなるフィリピン人少女を制作し、囮捜査を実施。1000人の容疑者の特定に成功した。凄い!