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カンヌ・グランプリ速報1〜広告に何が出来るか? が問われる結果に


今週はカンヌウィーク。各部門賞が続々と発表されますが、今日は、PR Grand PrixとDirect/Promo Grand Prixが発表された。
PR Grand Prixを受賞したのはプエルトリコ最大の銀行であるBanco Popularが仕掛けた“The Most Popular Song”。
世界的に失業率が高騰し、仕事がしたくてもできない人が急増する中、プエルトリコは更に状況が酷く、「仕事をしたい人」を探すのが難しい程で、その数、生活保護受給率は60%に達するという危機的状況。その酷い状況を最も的確に表しているのが、往年のサルサの名曲である“El Gran Combo”(I do nothing)。「朝起きて、トイレして、香水つけて、朝食食べて、何もしない...」というような歌詞だ。
そこで、この名曲の歌詞を「前向きに働く意欲を持つ男の歌」に代え、リリース。政治家を初め多くの人が賛同し、曲は多数のメディアに取り上げられヒットチャートを駆け上がり、コンサートまで開催され、一大ムーブメントを巻き起こした。
一国の行方を左右する深刻な問題に対してソリューションを提供したことが評価されたようです。

Direct/Promo Grand Prixは、Amexの“Small Business Saturday”が受賞。
数年前のサブプライム問題を未だに引きずっているアメリカでは、特に中小企業が大きなダメージを負っている。そして、Amexはその中小企業支援を一昨年来鮮明に打ち出してきた企業だ。そんな中、アメリカで年間最大のショッピングデーであるBlack Friday(サンクスギビングデーの翌日で、クリスマスシーズンのスタート)の翌日を“Small Business Saturday”と銘打ち、街の小さなお店などで買い物することを働きかけた。ツールを作って盛り上げたり、各地の役所もオフィシャルに協力し、大きな盛り上がりとなった。


こちらのケースも、PR Grand Prixと同じで、今の社会環境を強く反映した選考になっています。こういう時代だからこそ売って売って売りまくる為にあった「広告コミュニケーションに何が出来るのか? 」が問われているようです。