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クローネンバーグのこれまでとは違った恐怖の物語に心揺さぶられる


デビッド・クローネンバーグというと、人間が動物に変身してしまうとか、身体が異生物に乗っ取られるとか、相当グロテスクな映像を想像してしまう。6月11日〜9月14日まで"International Film Festival of Rotterdam"が主催する"The Exhibition"は私たちが良く知るクローネンバーグの世界が展示紹介される。

しかし、この"The Exhibition"に向けて制作されたクローネンバーグのショートフィルム"The Nest"はかなり趣が異なる。いかなるメイクアップも無ければ、内臓が飛び出すシーンも無い。カメラは患者である女(Evelyne Brochu)に焦点を当て続け、医者(クローネンバーグ)と患者の言葉とわずかに変化する表情だけというのが想像を掻き立てる。
この女は医者に左胸を切除して欲しいと依頼している。というのも、彼女の左胸には虫が棲みついているからだ。これは妄想なのだろうか...。あるいは、この医者がマッドな奴で、この精神的な問題を抱えた女の心を操っているともとれる。他にも可能性はあるだろう。

完全に揺さぶられております。この次のシーンで何が起こるのか...続編を待ちたいです。