アメリカで大人気の個人間送金アプリ「Venmo」をハックして寄付を募るクレバーなやり方
Venmo。
アメリカのミレニアル世代の間でぐいぐい上昇中の個人間送金アプリです。例えば、学校帰りにカフェに立ち寄って、手持ちのお金がないので友人に借りる、なんてことはよくあることですが、そんな時"Just Venmo Me !"(Venmoで返してくれたらいいよ)って言うそうです。既にGoogle(ググる)みたいに動詞化してます。
アメリカでは人にお金を渡すのに、小切手をよく使うのですが、「なんでいちいちこんな面倒なことするんだろう? 小切手を換金するのにわざわざ銀行に行かなきゃならないし」と疑問を持ったことがきっかけだとか。
このVenmoを通じて、"Water Is Life"(途上国への水支援を目的とした非営利団体)が若者たちから寄付を募ろう、というのが企みなのですが、このVenmoには広告枠などありませんので、正攻法では寄付は募れません。
どうするのか?
Venmoには、友人が他の人と行っているお金やメッセージのやり取りを閲覧できるGlobal News Feedという機能があります。誰かが一括で立て替えたお金を仲間に請求して精算するといったケースがあるので、ソーシャル機能が必要になるということです。
このGlobal News Feedで発見したユーザーにランダムに1cent送金。送金に付随する最大2000字のメッセージ欄を使って、寄付を呼びかけるメッセージを送信します。こんな感じで、文字を詰め込むのではなく、メッセージを把握しやすいデザインです。
例えば、
「1セントじゃビールだって買えないけど、1セントあれば、必要とする誰かに清潔な水を一日分提供することができるんだよ」
といったメッセージに「Water Is Life」の寄付サイトのURLを添えて送信。(Venmoで寄付の送金はできないのかな? とか思ったりしますが...)
キャンペーンは7月4日(独立記念日)に実施。250メッセージを配信(2.5ドル)し、400ドルの寄付を獲得。その後、1,000メッセージ配信(10ドル)し、800ドルの寄付を獲得しました。勿論、Venmo側には内緒です。
寄付額が多いか少ないかはわかりませんが、「システムの裏をかく」やり方が気持ちよいと思った次第です。「ハックした!」感、メチャあります。
(via ADWEEK)