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Snapchatのジオフィルターでライバル企業の社員を直撃リクルーティング

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Snapchat。日本でもじわじわ来ております。「スナチャ」と略されておりますが、英語の発音を聞いて素直に文字にしたらこうなった、という感じでしょうか。その「スナチャ」を生んだ国・アメリカでは「スナチャ」がリクルーティングツールとしての活用されております。

腕利きのソーシャルメディアマネージャーが欲しいクリエーティブエージェンシー「180L.A.」は、その適任は「ライバル企業」にいるハズと考えました。一番手っ取り早いです。そこで使ったのが「スナチャ」のジオフィルター機能...です。
※ジオフィルター: 特定の場所で写真を撮り、その写真に適用するフィルタを選択する時、その場所だけで使える特別なフィルタが表示される
「180L.A.」は、「72andSunny」「Pereira & O'Dell」「Deutsch」「Goodby Silverstein & Partners」「R/GA」といったライバル企業や「 Facebook」「Google 」「BuzzFeed」のオフィス・エリア内で撮影すると180L.A.のフィルターが表示される仕掛けを実行。フィルターから180L.A.のSnapchat Storyに誘導し、そこに、求めるポジションや応募方法、10秒間の180L.A.オフィスツアーなどのコンテンツを提供しました。

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フィルターはターゲット企業に合わせて用意されております。左上は「72andSunny」用。サニーだけに180L.A.の方がもっといい日差しだぜって感じ。右上は「BuzzFeed」。"180 Reasons Why You Should Hit Us Up"...BuzzFeedによくあるタイトルの言い回しです。ユーモアあります。

Deutsch , R/GA

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Google, Pereira & O'Dell

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最初の10時間で40人の問い合わせがあり、幾つかインタビュー予約にも成功。かなり狡猾な手口ですが、クリエーティブな職種なら許されるのではないかと思います。仮に転職に興味なくても仲間内で話すネタにはなりそうです。手法自体は、約1年前にSnapchat自身が実施したTwitterやPinterestといったスタートアップからの引き抜き作戦と同じ手法で、Snapchat以外の企業が使うのは(たぶん)初めてです。
最近、仕事でジオターゲティングアドの話をちょいちょい耳にします。大抵は、凄い時代が来たでしょ! 的などや顔プレゼンをされるんですけど、(たぶん)つまらない情報なんかが予期せず画面を支配すると思うとゾッとします。180L.A.のケースぐらい楽しげで、そこそこターゲティングできていて、ネタになればよいですが、単に「1ヶ月以内にここに来たことがあるから」「今ここにいるから」とかいうだけで不必要なモノの割引情報などを放り込まれるのは辛いです。一方で、世の中の多くのことが広告で成り立っているので「広告なんて消えろ」と吠えることもまた難しいです。この生理的に受け付けない感じと折り合いをつけるためには、まずは、より寛容な自分になるしかないと思う次第です。
(via ADWEEK)