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広告業界の常識は非常識

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広告業界の常識は世間では非常識...と、揶揄する業界人を何人も存じ上げておりますが、その非常識の1つに"SPEC WORK"(Speculative Work)というのがあります。これは「支払いがあるかどうかわからない仕事」という意味であり、主にコンペの時に使われるワードです。コンペでカンプやVコンなどを提出しても、選ばれなかったら一銭にもならず、疲れの倍返しになるというあれです。英語でこういうワードが確立されているってことは、業界の非常識加減は世界共通ってことのようです。

そんな中、このSPEC WORKが、いかに非常識なことなのかを訴えるべく、トロントのエージェンシー"Zulu Alpha Kilo"が、ドキュメンタリービデオをリリースしました。かなり、いい根性してます。

家を建てて気に入ったら払うとか、珈琲飲んで気に入ったら払うとか、額縁屋、パーソナルトレーナー、建築士、コーヒーショップ、レストラン...と次々にSPEC WORKを提案していきますけど、当然の如く断固拒否されます。(彼らは俳優ではありません)

このビデオは雑誌"Strategy"による広告賞のプロモーションとしてリリースされたようですが、クライアント筋はどう反応するでしょうか? きっと、雑談の話題にすることもできずに終わりそうな気がします。新しくて古い業界だなぁとつくづく思います。