業界地図を塗り替えるようなエアライン・スタートアップのコンセプト
最近開催されたAPEX CONFERENCE(航空業界の国際会議)で、"Airbnb"や"Uber"のような、業界地図を塗り替えるようなコンセプトを持つ「エアライン・スタートアップ」とは...というテーマで発表があった。プレゼンテーターはTeague(デザインコンサティング会社)のブランドステラジスト"Devin Liddell"。
"Poppi"と名づけられたこの仮想エフラインプロジェクトは単に見た目のデザインが気持ち良いだけでなく、既存の航空業界が抱える様々な問題に対する新しい視点が取り入れられている。
1.バゲージ問題
誰もが荷物を預けるために25ドル払いたくない。よって、機内持ち込み荷物量が多くなり、ボーディングタイムが必要以上にかかってしまうのが問題になっているけど、Poppiでは、パーソナルアイテム以外の荷物は持ち込み禁止。全ての荷物はRIFDタグで管理し、ロストバゲージを防ぐ。
エアラインはチケット代以外の荷物・ドリンクなどで平均1人当たり18ドルの収益を上げており、このシステムは受け入れづらいとの反論に対しては、シートの下にすっぽり収まるブランドバッグを販売し、そのバッグの利用に課金することで収益を補うという発想のようです。ブランドバッグに詰め替えるのか、手持ちのバッグごとスッポリ入るのかなど不明)
2.ミドルシート問題
誰だって通路側か窓側、いずれかに座りたい。ロングフライトともなるとミドルシートとはほぼ罰ゲームのようなものだけど、Poppiでは、これらのシートをプロモーショナルシートとし、お客様にスポンサーからのスペシャルギフトを用意するという趣向。
例えば、X-BOXがスポンサーなら発売前のゲームがプレイできたり、NikeだったらNike IDを20%offでオーダーできたり。スポンサーフィーは新たな収入源にもなる。
3.ロイヤリティプログラム問題
クレジットカードとマイレージシステムを統合するシステム現在のシステムではなく、スターバックスやアマゾン、NFLのように、有料会員になることによって、チケットを優先的に購入できたり、チケットの転売マーケットや座席のスワッピングマーケットが利用できるシステムを導入。
4.その他
ボーディングゲートに長時間滞在する非効率さを、モバイルデバイスを通じたリアルタイムインフォメーション・システムによって改善。
「シネマクラス」という座席群を設定し、テレビやフィルムプロダクションと提携し、最新コンテンツを提供。
その他にも色々提案はあったみたい。
アイデアの善し悪しは別として、ここの所、エアライン業界は価格を巡る競争が目立っているけど、次のフェーズでこういった工夫が生まれるとオモシロイかもです。
(via FAST COMPANY)