Instagramの投稿写真が人工皮膚炎を起こすまでひたすら投稿を繰り返す
このかなり劣化したInstagramの写真は元からこの状態ではなく、元々まともな画質であった写真を「Instagramに投稿→スクリーンショット→Instagramに再投稿」を20回程度繰り返した果ての状態だ。再投稿する毎に(何故か)少しずつノイズが発生し、この状態になった訳だけど、写真家 Peter Ashtonにとって、これではまだ不十分で、この後、写真がノイズで埋め尽くされ、人工的な皮膚炎を起こすまで再投稿を続けた。その投稿回数は何と90回にのぼる。
理論的には劣化しないハズだけど、実際は劣化する。「デジタルの限界」みたいな所がコンセプトの核心になっている。後は「コピー文化へのアンチテーゼ」みたいな所もあるかも知れない。
以下、タイムラプス的な映像も用意されている。
その面倒なプロセスの一部が記録された映像。
この写真の被写体は実験音楽の作曲家 Alvin Lucierであり、プロジェクトのタイトルは"I Am Sitting In Stagrm"。Alvin Lucierの"I Am Sitting In A Room"を意識したプロジェクトだ。
"I Am Sitting In A Room"とは、椅子に座った男が「私はこの部屋で今、椅子に座っている」という台詞で始まり、その後、ひとつのフレーズが終わる度にその椅子を現時点の設置位置より後方に下げ、再び、フレーズを語り、録音を繰り返す...」というプロジェクト。始めはわからないが、最終的に音は大きく変わり、作品自体がすり替わったような錯覚がおこる。
AshtonはLucierの文脈を取り込みつつ、進化させた訳ですが、「デジタルと劣化」という相反するテーマ設定がとても示唆に富んでいると思います。
(via the Creators Project)