Campaign_Otaku

Campaign, more than anything

インターネット上の世界で一番危険な町

f:id:y_sequi:20150628183502j:plain

"The Most Dangerous Town on Internet"というドキュメンタリーフィルムが公開された。それによると、インターネット上の世界で一番危険な町はルーマニア中部のRamnicu Valcea"。ハッカーの聖地と呼ばれ、ここを拠点に米国の中枢にサイバー攻撃を仕掛けている。このドキュメンタリービデオは、その基地に潜入取材した記録であり、セキュリティ・ベンダーのNortonが提供している。

これはプロモーションフィルム。

詳しくは本編をご覧いただきたいですが、僕が興味を持った部分を書きだすと...

昨年のルーマニアハッカーが起こした被害総額は10億ドル以上。ここまでルーマニアがネット犯罪大国になったのは抑圧された共産主義時代の反動とのこと。

ヒラリー・クリントン、ブッシュファミリー、ロックフェラー財閥、連邦中央準備委員会メンバーなどをハッキングしたGUCCIFER(GUCCIのクールさ+LUCIFERの叡智)と名乗る男によると、「インターネットの30-50%が電子メールでそこに多くの秘密が隠されている。それを暴くことがこの上ない喜び」とのこと。また彼は全てのアメリカ人に対して「今年、凄いことが起きる」と警告している。因みに2016年大統領選予備選に立候補したヒラリー・クリントンは現在でもGUCCIFERに苦しめられている。

ICE MANと名乗る男はNASAをハッキングし、「お前らのサーバーを守ってやった。連絡先のメールアドレスはこちら」とメッセージを残したが、戻ってきたのは請求書だった。本人はNASAにスカウトされることを期待していたようだ。また、ICE MANはアノニマスに協力し、どこかの政府を攻撃したこともあるという。

TINKODEと名乗る男は13-14才頃にハッカーが登場するハリウッド映画を観てハッカーを志したという。そして、彼のハッキングリストはGoogle, YouTube, US ARMY, Facebook, 国防省, IBM, ORACLE, MySQLなど、アメリカ企業・政府がずらりと並ぶ。何という皮肉だろうか。

こうやって権力に立ち向かうことに喜びを感じるハッカーもいれば、偽広告を出して金をだまし取るようなスキャマーも取材されている。また、コンピュータに侵入し、クレジットカードデータを盗み取る金目的のハッカーも多い。

以下、本編です。

最後に、当局のエージェントが、ハッカーは自宅で個人的に活動するが、ネットを通じて世界中で教え合っているので、少し捕まえぐらいでは犯罪は減らない、これから益々サイバー犯罪が増えていくと締めくくっている。

全体的におどろおどろしい作風で恐怖を煽っており、Nortonが自らの存在価値を浮き彫りにする狙いだけど、Nortonの名前が見えた瞬間に、少し誇張しているのではないか、と思ってしまった。また、セキュリティベンダーが裏でハッカーとつながっているという根強い都市伝説もあったので、ひょっとすると、Nortonルーマニアハッカーたちともネット上で匿名で繋がっているのではと勘ぐってしまう。そのあたりの裏事情をテーマにしたドキュメンタリーを是非観たいです。