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近い将来、人格を破壊する拷問はVRで行われるか?


旧ソ連強制収容所で行った人格を破壊する凄まじい拷問について書かれた「収容所群島」(アレクサンドル・ソルジェニーツィン)を読んだ時、身の毛がよだつ思いがしたことを記憶しているけど、このMark Traid(パフォーマンスアーティスト)による実験プロジェクト"Seeing-l"には似たような気持ち悪さを感じた。
"Seeing-l"は、Markが28日間×24時間に渡り、VRヘッドセットを装着し、他人が体験する視点や音、インタラクションだけで生活するというプロジェクト。期間中、Markが誰かとインタラクションすることは一切無い。"人は自分の感覚を完全に喪失し、他人の現実の中で生きることができるのか?"...をテーマとした心理学の実験だ。シャワー・ベッド・トイレだけが装備されたロンドンのギャラリーがその舞台で、この模様は一般公開されている。また、Markの身体に異常が発生する可能性がある為、メディカルスタッフが常駐している。

寝ていてもVRヘッドセットは装着したまま。

VRヘッドセットのスクリーンに映る他人の食事シーンに連動して、食事は専属スタッフにより口元に運ばれる。

他人が走ればMarkも走る、他人が食べればMarkも食べる。実験初日の模様を捉えたこの映像を見れば、どのように実験が進行しているか分かる。

現在進行中のこのプロジェクトはKickstarter資金調達実施中。目標は150,000ポンド(約2,770万円)で現在27日を残して、4,185ポンドを調達。
個人的にはMarkはきっと心身共に不調をきたし、自分自身を取り戻す為にかなりの時間がかかると予想します。途中で実験が中止されることもあるのではないかと思います。米国あたりでは拷問や自白強要目的のVR活用研究が既に行われているのではと思います。昔のフィジカル中心の拷問よりも、よりインテリジェントである分、恐怖を感じずにはいられません。