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カンヌライオンズ2014〜スパイク・ジョーンズ降臨


"マルコヴィッチの穴"や"アダプテーション"、最新作"Her"の監督であるスパイク・ジョーンズがカンヌライオンズのステージに登壇した。タイトルは"The Disruptors"(破壊者)。
ストーリーとテクノロジーの相互依存みたいなテーマの筈がいきなり脱線。世界はアイデアとそれに対して恐れを知らない人々を求めている...という話から、クリエーティブとファイナンスの話へ。資金提供者のプレッシャーがクリエーターの仕事の邪魔をするし、時には破壊する。クリエーターはエモーションに忠実であるべきだ...というクリエーティブ・マネジメント的話へ。そのまま話は戻らなかった。そして、最後に友人に仕事の進捗を見せ、忌憚なく意見を言ってもらうこと、そして、時には恥ずかしい思いをすること...それが最良のツールになると語った。
スパイク・ジョーンズの独特の世界観や物語について色々と話が聴けると思っていたので残念な面もありますが、あの奇才な感じの人が、明快にストーリーの原理なんかを語られてもなぁ...とも思います。
映画監督として活躍中のスパイクですが、広告作品も手掛けており、過去にはカンヌライオンズ2003でFilm部門グランプリを受賞しています。
"Lamp"(IKEA)

"Many of you feel bad for this lamp. That is because you crazy. It has no feelings, and the new one is much better."(あなた方の多くはこのランプを不快に思ったのだろう。でもそれは狂気だ。ランプには感情は無い。そして、新しいのはもっと良いだろう)...何とシニカルな世界観。
Hello Tomorrow(adidas)

Crazy Legs(Levis)

意外にも彼が最も好きなCMはBouncy Balls(Sony)だそうです。当初、スパイクに監督依頼が来たものの、拒否した作品のようです。

サンフランシスコの坂道に25万個のカラーボールを放出するなんて、改めて凄い作品です。