Campaign_Otaku

Campaign, more than anything

カンヌライオンズ2014 予想 PART2〜Purpose, Storytelling, DATA


カンヌライオンズ2013で頻繁に耳にしたテーマ"Purpose""Storytelling""DATA"が2014でもビッグテーマとなるようです。

1.Purpose

"Purpose"とは商品を売ることよりもむしろ社会的利益を優先させる、あるいは非営利団体とエージェンシーが組んだプロジェクトなどで、所謂、大流行中の「ソーシャルグッド」です。
The Scarecrow(Chipotle)
メキシカンブリトーのチェーン店"Chipotle"による、大規模畜産システムによる食糧生産と、そこから市場に出回る食品の安全性を問いかけるアニメーション。Project Daniel(Intel)
スーダン内戦により、腕を失った人たちに3Dプリンティングの義手を提供するプロジェクト。3Dプリンタの操作法を現地の人々にレクチャーし、今後現地で新たな義手を造り出せるようにした。

2.Storytelling

写真家 Annie Leibovitzは「広告であると思って撮っていない。ストーリーテリングだと思っている」と語り、Astro Teller(Google X)は「ストーリーテリングは発明の基礎」と語った2013年。その象徴として昨年のDove"You're beautiful than you think"がグランプリを受賞した。今年は広告業界だけではなく、映画やテレビ業界も巻き込みながらStorytellingについて深い議論をしていくことになるようだ。
Whip It(Pantene)
同じ行動をしても男と女では受け取られ方が異なる...そんな女性に対するバイアス問題に切り込んだTVCM。男女格差の問題は先進国では薄まりつつあるので、フィリピンのような途上国だからこそ効くテーマ設定と言えるかも知れません。The Heroic Women(Microsoft)
世界を支える女性たちの活躍を称賛。

3.DATA

2013でも話題になったDATAですが、他の2つの話題に比べると小さく、エキサイティングなクリエーティブが見られた訳では無かった。今年はDATAがIDEAと結びついたクリエーティブが期待されている。特に例示されている訳では無いが、自分が思うにこういった作品だろうか。
CYBERTHREAT REAL-TIME MAP(Kaspersky Lab)
セキュリティベンダー"Kaspersky Lab"が世界中で使用されている自社のアンチウィルスソフトを通じてリアルタイムで世界のサイバーアタックの状況を可視化。セキュリティ対策に本腰を入れていない企業に対して、サイバー攻撃の危機意識を喚起した。

Sound of Honda / Ayrton Senna 1989
アイルトン・セナが1989年に記録した最速ラップを音と光の演出で再現。とても話題になったこの作品もある種の「データの可視化」であり、無機質なデータをエモーショナルな物語に昇華させている。"Purpose""Storytelling"に加えて、DATAとIDEAがどのように結びつくか...とても楽しみです。
via Adage
※関連記事"カンヌライオンズ2014 予想 PART1"