Campaign_Otaku

Campaign, more than anything

IBMが1ヶ月で62種類のTVCMを作ってマスターズのTV放送で各1本ずつ集中的にオンエアするという驚きのメディア展開


Bubba Watsonの優勝に沸いた先週末の「マスターズ」に熱中していたゴルフ狂やエグゼクティブたちは、今、IBMがとても気になる存在かもしれない。IBMは6年前から実施している"Smarter Planet"キャンペーンを「マスターズ」を機に、次期フェーズ"Made with IBM"へと移行させた。
データ社会はもはやコンセプトではなく、実際に動いていることをリアルなストーリーを通じて実証的に語るというのがその内容なんだけど、そのやり方がとても力強い。IBMはこのキャンペーンの為に、30秒・60秒織り交ぜて、62種類の異なるTVCMを制作。何でも"ゴルフトーナメント番組の場合、1本のCMを50回オンエアするよりも、50本作って1回ずつオンエアする方がいいよね。きっと、同じ人がずっと観ているから..."という雑談をしたのが「マスターズ」の1ヶ月前。そこから、3つの撮影クルーを5大陸20カ国に派遣し、クライアント、IBM社員、各産業分野のエキスパートなどにインタビューを行い、突貫で62本のTVCMを制作。そして、「マスターズ」最終日に集中的にオンエアした。
なのでアメリカのゴルフ狂やエグゼクティブは今、IBMの残像が頭から消えないかも知れない。
例えば、東芝による教育現場のサポートの裏にはIBMが...という日本取材のTVCM。

CM Play List
キャンペーンのコアになるメッセージ"より速く、より良く、より効果的に、クラウドで"というメッセージが集約されたのが、このレストランを舞台にしたIBM社員が語るCM。こんな目玉焼き1つにまで、生産・サプライチェーン・保存・調理などコンピューティング技術が隠されている。

この"Nanostrage"はとてもリズミカルで良い感じ。ナノ技術を使ってデータストレージの新しい方法を開発している、という内容で昨年話題になった "A Boy and His Atom"(一酸化炭素の分子を1コマずつ動かしてコマ撮りした作品)の素材も使用されている。

このプロジェクトを手掛けたのは、長年IBMのパートナーであるOgilvy & Mather。その舞台裏を語っている。

62本作って1回ずつ1つの番組でオンエアするなんて、たとえ思いついてもできないですよね。