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肥満と闘うCoca-Colaに未来はあるのか?


Coca-Colaが豪州で「肥満との戦い」と称するキャンペーンをスタートさせた。内容は今年初頭に米国で立ち上げたプログラムとほぼ同じ。

  • 355mlと通常より小さいサイズでカロリーオフ(140cal)の缶の積極販売。
  • Coca-Cola以外にもローカロリー飲料を積極的に提供する。
  • 成分表示の透明性を徹底。
  • 自転車協会やNPOと連携し、豪州の人々が身体を動かすことに貢献。

これは社会から駆逐されつつあるタバコの二の舞を逃れる為の策ではあるが、根本的な解決にはなっておらず豪州では「カムフラージュに過ぎない」との評判だ。
更に、先日英国でオンエアされた肥満対策CM“Be OK”もオンエア禁止となった。これは、Coca-Colaの新サイズ355ml・140calを消費する為の様々なエクササイズを紹介するCMだ。確かに、飲まなければそんなエクササイズはする必要がない。

Coca-Colaと言えばカンヌで「ブランドには社会に役立つ責任がある」と宣言し、1950年代の公民権運動以来、黒人を広告に起用し、白人・黒人の融和を図ってきたとか、最近ではインド・パキスタンという紛争国をベンダーで繋ぎ、互いの人々が協力し合いながら無料Coca-Colaを手に入れる...という'Social Good'なブランドの歴史だけを切り取って紹介し、拍手喝采を浴びた。

しかし、一方で主力商品がもたらす破壊的な健康へのダメージによって、彼らが主張する'Social Good'な行動が身体に悪い商品を売る為の偽善に見える危険性が生じている。
個人的には、「表層的な'Social Good'より'良識'を持つこと」がブランドに求められているのだと思う。ここは文化の違いが大いにありそうだけど、肥満と心臓病を世界に広めた商品を販売しているという自戒の意識を持ちつつ、こっそりと'Social Good'な行動をして、人に発見されても「いやいや」と頭をかく程度にしていれば、また印象も変わったのではないかと思うのですが。