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Campaign, more than anything

Mobile Lions Grand Prixは“TXTBKS”(Smart Communications)


Mobile Lionsもいわば「社会派」キャンペーンが制した。底抜けに楽しいコンセプト、というだけではもう受賞できないんでしょうか。
“TXTBKS”なる受賞キャンペーンの舞台はフィリピンで、子供たちがバッグに入れる教科書の量が多いことが原因で重さのあまり身体を痛める子供が多く、問題となっていた。しかし、フィリピンの国民平均所得から言ってタブレットを使った教育は夢のまた夢。あるのは、古びた「ガラケー」のみ...。
ならば「あるもので何とかしよう!」とガラケーを教科書にするアイデアがSmart Communications(携帯キャリア)によって採用された。SIMカードに教科書データを入力し、SIMカードを交換することによって、様々な科目の授業が可能になる。
いわば、ガラケースマートデバイス的に活用する企画だ。新しい何かを開発することも素晴らしいですが、こういった「やりくり」的アプローチも素晴らしいです。

その他、Mobile LionsのShortlistで気になった作品を紹介します。
World Wide Maze

Chromeスマートフォンで遊ぶボール転がしゲーム。任意のウェブサイトを立体迷路化。平面迷路ではなく、エレベータやジャンプまである立体的なステージが生成され、スマートフォンを傾けてコントローラとして使って遊ぶ。
何度見ても良い大好きな作品。これがグランプリでは...と期待したのですが。でも金賞は立派です。
Necomimi

日本らしい可愛いアイデアが良い、お馴染み“Necomimi”も銅賞受賞です。
LEGO Super Heroes Movie Maker

コマ送りでLEGOの写真を撮影して、音楽やテーマを追加することで自作ムービーを作るApps。プロダクトの魅力を拡張させるAppsというのが良いです。
Back to Vinyle


Kontor(レコードレーベル)がBoris Dlugoschなるアーティストのレコード盤を売るべく採用した企画。ターゲットをアナログ盤に郷愁を感じるクリエーティブディレクター(CD)に集中。紙製のプレーヤーにビニール盤を配置し、スマートフォンを「針替わり」にして楽しめるツールをCDにダイレクトで配送した。
アナログ盤=そこそこの年齢=CD限定という思い切りが素敵。
その他、以前のエントリで紹介したMobile Lionsノミネート作品で良いと思う作品です。