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“The Guardian”のオープンジャーナリズム


昨年初頭、英国の新聞“The Guardian”が“オープンジャーナリズム”を宣言した。“オープンジャーナリズム”とは、「読者、視聴者、専門家など幅広い人が参加し、記事を作る」という考え方で、その考え方を象徴した「3匹の子豚」を題材にした長尺CMをオンエアし、話題になった。

悪徳狐が生きたまま茹でられ、警察がその容疑者として3匹の子豚を逮捕。SNSを中心に論争が湧き起こり、3匹の子豚の拘束が行き過ぎではないか、という批判が噴出。逮捕された子豚たちは裁判にかけられ、悪徳狐を保険詐欺に引っ掛けたことが判明したが、子豚が詐欺に手を染めたのは住宅ローンが払えなくなったことによる生活苦が原因だった。
そんな中、子豚への同情心が一気に高まり、低所得者層と住宅ローンの支払いが社会問題として取り上げられていく。そして、高利を課す悪質ローンに対する抗議デモが発生し、議員が法律を改正する動きにまで発展...。
最後は“The Whole Picture”(全体を見よう)というタグラインで締めくくられる。

このTVCMによる宣言以来「特定のテーマに対する写真やコメント投稿」「報道プロセスの公開・提供」「書評・音楽評の書き込み・批評」「The Guardianが持つ過去の報道資料、データ等の公開」などを実施してきたが、この度、新たに“オープンジャーナリズム”を深化させる“Guardian Witness”なるAppsをリリースした。
これは特定のテーマ・事件について、写真やビデオなどをモバイル投稿できる仕組みで、Breaking Newsなどにはかなりの威力を発揮すると予想されている。

“The Guardian”ような一流新聞社が積極的にオープン化していることが興味深いです。日本の新聞のこのあたりの取組はまだ物足りないですね。