Campaign_Otaku

Campaign, more than anything

人は絶対にしちゃダメ!と言われるほどしたくなる


「絶対にしちゃダメ!」と言われると、興味レベルがマキシマムに上昇し、ついついやってしまう。この手の性質というのかなりの割合の人の間で共通しているのではないかと思う。
広告では普通「△△して下さい」とお願いするのが基本形だけど、この「絶対にしちゃダメ!と言われるほどしたくなる」という性質を逆用し、プロモーションに活用しているピザレストランがある。その名を“Little Caesars Pizza”と言い、Hot-N-Readyなる5ドルの格安ピザを売り込む為に“Do Not Call”キャンペーンを実施した。

とっかかりはラジオCM。「Little Caesars Pizzaは毎日とても美味しいピザを提供している」という良くある宣伝文句を語りつつも「但し、宅配はしていないので店に来てもらわなければならない。だから、電話番号は1-800-Try-Little-Cだけど絶対に電話しちゃダメだ!とんでもないことが起こるぞ!」と繰り返し念を押す。

しかし、そう言われると電話したくなる。そして恐る恐る電話すると、「何故電話するんだ、ダメだって言ったろ!電話で注文はできないんだよ! でも、せっかくだから最後にチャンスをあげよう。絶対にForbiddenPizzaWebsite.comにアクセスしちゃダメだ! 絶対後悔するぞ!」。

ここまで来たらForbiddenPizzaWebsite.comにアクセスせずにはいられない。すると開口一番「何故アクセスしたんだ!」そして文字入力窓口を用意しておきながら「絶対に住所を入力するな!」。しかし、勿論住所を入力せずにいられない。オチが知りたくて仕方が無いからだ。

そして、住所を入力するとGoogle Map上に自宅が表示され、その自宅の周りをアニメーションの幽霊がうろうろしている画面が現れる。こんな不穏な状況を回避したければ「UNHAUNTボタンをクリックせよ!」との指令。
言われるがままにそうすると、「あなたがした過ちを友人が繰り返さないように」という言葉と共にTwitter/Facebookのソーシャルボタンが表示され、Twitter/FacebookにLittle Caesars PizzaのPVがポストされる。

「宅配じゃないビザ(しかしかなり格安)」という一見デメリットになりそうな要素を逆手にとったうまいキャンペーンだ。但し、「絶対にしちゃダメ!」を何度も繰り返す間に上昇したオチへの期待度に対し、「自宅の周りを幽霊がうろうろしている」という返しは「えっ?」という感じでした。残念。