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ロンドンを震撼させる狼事件の真相



11月初旬、グルジアからロンドンにやって来た“Dakov Circus”がWebSiteを立ち上げた(偽サイト)。East Londonで実施する公演“Circus Freak Out”のプロモーション用だ。また、この公演の告知はロンドン情報サイト“Time Out London”やロンドン情報を取り扱うブログでも行われた。しかし、その告知によると予定されていた“Wolves of Vale”なる狼が出演するショーが延期になると仄めかされていた。

※WebSiteのダサさが絶妙。旧ソ連の香りがプンプンする。また、もっともらしいサーカスビデオも視聴できる。

そんな中、狼がEast London界隈に出現したとの怪情報がソーシャルネットワークを中心に駆け巡った。Glee(ドラマ)に出演するMark Sallingが“Just saw a vid of a wolf roaming London. So interesting and mysterious... Is this real?”(ロンドンで狼らしき動物が徘徊しているのを見たんだけど、何かミステリアスな感じ。これって本当かな?)とつぶやいたのも話題拡散に一役買った(Mark Sallingのフォロワーは795,000)。
更に、Youtubeにいくつかの目撃ビデオがアップされた。



※その他の目撃ビデオ:1,2,3,4
そんな中、“Circus Freak Out”のポスターがEast London界隈に貼り出され、奇妙なぞっとする狼の遠吠えのような音を発する“Dakov Circus”のボコボコになったバンが逃げた狼を収容する為に夜中のEast Londonを走り回り、“Dakov Circus”と狼事件が結びついた訳だ。

※ポスターの掲出場所、表現が絶妙。旧ソ連の田舎の国からやって来たサーカス団のイメージがバッチリ表現されている。
ビデオは当初2週間で20万視聴を超え、かなり話題になったようなんだけど、勿論これは仕込みである。グルジアのウォッカブランド“Eristoff Vodk”が仕掛け人なんだけど、グルジアでのブランド名“Virshan”の意味が“Land of Wolf”ということから、狼がモチーフになっているようだ。
恐怖を煽ることが倫理的にどうかということは置いておいて、「対岸の火事」は対岸だから傍観していられるのであって隣で起これば大騒ぎになるように、局地的に話題にするということを考えると、「恐怖」というのは使えますね。でも、そんな細かい話しは抜きにして、このストーリー開発と表現開発が絶妙すぎます。
※最後に、まとめのビデオをどうぞ。