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徹底的に音楽を追究するConverse



音楽の持つイメージを自社のブランド価値に還元させようと、ミュージックビデオをつくったり、ライブをサポートするブランドは多いが、スタジオをつくってミュージシャンに開放するといった踏み込んだアプローチはお初ではないか。
その鋭い踏み込みを見せているのはConverse。“Converse Rubber Tracks”と呼ばれるこのプロジェクトの拠点はブルックリンに新しくつくったレコーディングスタジオで、曲があってもスタジオを借りるお金が無い若くて才能のある、あらゆるジャンルのミュージシャンに無償で開放される。そこで録音された曲はConverse専属の目利きによってジャッジされ、バックステージビデオや写真などと共にConverse.comやConverseのブランドチャンネルなどで公開される。これは、音楽ファンだけでなく、レコード会社に売り込んでいく絶好のチャンスとなるはずだ。


一方、UKでは、Bernard Sumner(Bad Lieutenant), New Order & Joy Division, Alexis Taylor & Joe Goddard (Hot Chip), Hot Cityとのコラボによる“Didn’t Know What Love Was”のダウンロード(無料)がwww.converse.co.ukで始まっており、来月にはミュージックビデオもリリースされる予定。また、来年1月には、Paloma Faith, Graham Coxon(Blur),Bill Rider-Jonesとのコラボによる楽曲のリリースも決定している。これらは、この夏、米国で展開した“All Summer”に見られた、複数のアーティストを集めて1つの楽曲をつくるという方法を踏襲しており、Converseオリジナルの手の込んだ手法として今後も定着させていくようだ。

更に、新興国「インド」でも“The Original Band”なる新人バンド発掘プロジェクトがスタートしている。オンライン及びショップでエントリーを受け付け、選ばれたバンドが今月末からムンバイを始めとするメジャーシティで開催されるライブイベントに出演し、各都市のウィナーの楽曲でオリジナルアルバムをつくるようだ。
音楽やアーティストが持っているイメージをどうやって拝借して、ブランドと共に生活者に届けるか? ということぱかり考えがちだけど、ビデオで語られているようにスタジオプロジェクトはアーティストからの評価が随分高いようだ。こうなると、次のプロジェクトが仕掛けやすくなるし、音楽と親しいイメージも分厚くなる。今後はこういう視点も持ち合わせるべきかもしれない。