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高級ブランドは有名映画監督が大好き



「予想を裏切る新しい男性像の提案」−Chanelは男性向けフレグランスの新製品“Bleu De Chanel”のコンセプトをこのように思い描いていた。そして、コンセプトを鮮明化するフィルムを創るべく、「ディパーテッド」のMartin Scorseseに白羽の矢が立った。
The Rolling Stonesの“She Said Yeah”のロックなリズムにの中、フランス人俳優“Gaspard Ulliel”が登場。彼の役所は、実際は反逆児のはずなのにみんなの期待通りにふるまう自分にイライラしている俳優。記者会見で司会者が“Would you like her to rephrase question?”(もっとわかりやすく言ってもらいましょうか?)という、少々彼を子供扱いするような物言いをする。そんな時、記者席にかつて愛した女を発見し、彼女との日々を回想。そして、最後に意を決して“I'm not going to be a person that I am expected to be any more.”(もうみんなの思い通りの男にはならない)と言って会見をぶっ壊し、その女と一緒になる。そして最後に、“Unexpected, Bleu De Chanel”(予期せぬ香り、Bleu De Chanel)。

一方、Luis Vuittonは、「ブロークン・イングリッシュ」のZo〓 Cassavetesを起用。“Hide and Seek”というタイトル通り、かくれんぼを無邪気に楽しむ女たちを描くブランドフィルムをリリースした。何とも言えないノスタルジックな世界とかくれんぼというローテク感が、職人気質で代々伝わるフランスの芳醇な文化的背景を時代を超えた普遍性として重視するLuis VuittonのDNAを描いているのだと思う。

また、Diorはフレグランスの新製品“Miss Dior Cherie”のTVCMのディレクターとして「ロスト・イン・トランスレーション」の“Sofia Coppola”を起用。こちらは上の2作品と比較すると、かなりコマーシャル色が濃い仕上がりとなっている。

そして、最後にGUCCI。こちらは「シンシティ」の“Frank Miller”を起用。8/23のエントリーで紹介したトレーラーを受け、8/25にTVCM本編がリリースされた。9/12のMTV Video Music Awardで、ディレクターズカットが公開される。
Channelは商品名に引っ張られすぎているような気がするし、Diorは映画監督の作品らしくない。GUCCIバットマンの原作者である“Frank Miller”らしい作品だけど、TVCMは少しチープな感じがする(9/12のディレクターズカットに期待)。となると、Luis Vuittonだけが有名監督を使った甲斐があったとの私的見解になる。というのも、他の3作品は全て商品ありきの作品であるのに対して、Luis Vuittonはブランドの世界観を描くことにほぼ集中できる為、映画監督としての仕事に比較的近くなるからではないか。映画監督を起用することで話題性は期待できるが、その反面リスクも大きいなと思う。