下着でランニング。脱いだ服はチャリティへ。
最近の社会貢献施策は極めて戦略的で、マーケティング効果を狙う為にドメインやパーソナリティと一致する支援領域を設定することが多くなった。そんな時に困るのが、そもそものパーソナリティが「ふざけ気分」満載のブランドである。ふざけ気分と社会貢献が対極をなす存在であるからだ。よって、定跡では素知らぬふりをするか、商品ではなく企業ブランドで実施する。しかし、常に男子の女子に対する欲望を熱烈に支援なさっているAXE(ユニリーバ)はこれを見事にブレークスルーなさっている。そのキャンペーンとは“AXE UNDIE RUN CHALLENGE”。
これは、全米10大学で開催されるランニングイベントであるが、そのやり方が「らしい」。参加者がすべきことはお気に入りのお洒落なアンダーウェアを身に着けること。そして、ランニング会場で服を脱ぎ捨て、アンダーウェアだけでランニングし、脱ぎ捨てた服は寄付に回される。また、10大学の中で最も多くの服が脱ぎ捨てられた大学には、巨大な半裸の銅像が贈られることになっている。更に、各大学のローカルチャリティパートナーをAXEが支援するという極めて真面目な企画もひっそりと埋め込まれている。
社会の先行きに対して真摯な人にとって、真面目に考え行動する社会貢献は極めて重要なことであるが、そればかりでは身体がもたないというのもある。「はちゃめちゃに楽しくて、気がついたら世の中の役に立っていた」というのは、そんな人を癒す効果もあるのではないか。