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Supremeの奇妙な新商品「赤レンガ」がソールドアウトで価格高騰。購入目的は誰かに投げつけたり、ラッパー風のレンガネックレスづくり?

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「品質が全く同じ2つの商品のどちらがいくらで選択されるか?」。
ブランド力を推し量る分かりやすい考え方だけど、これに当てはめて考えると「Supreme」は驚異的なブランド力だ。

Supremeの赤レンガ、現在eBayで1,000ドル ! の超高値取引き 

 

Brick 📹 Oliver Payne

Supremeさん(@supremenewyork)が投稿した動画 -

 
「Supreme」が秋冬コレクションとして発表した商品の中で一際注目を集めているのが赤レンガ「Supreme Brick」。カルトブランドらしく、他にもラーメン鉢とかヘルメットなど変な商品はあるんだけど、これは意表をつきまくってる。
別に金が混じっているわけでもない、ただの赤レンガに「Supreme」ロゴがエンボス加工されているだけなのに値段は30ドル。近所のホームセンターで赤レンガ1個100円で売っていたので、単純計算でSupremeが価値を30倍に引き上げたことになる。

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しかも、赤レンガは発売と共に即完し、現在eBayで1,000ドルで再販されている。これは手っ取り早い「投資」になるかもしれないし、模造品で一儲けしようと考える不謹慎な奴等が現れたって不思議ではない。
地球上の全てのSupreme Brickを買い占めて家を建てたい。
Redditでは、こんなTwitterの声に応えてか、Supremeの赤レンガで家造ったらいくらかかるのか計算するネタで盛り上がった。

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2,400平方フィート(=223㎡) の土地に建てると仮定して、117,600個の赤レンガが必要。赤レンガはシッピング等、諸々のコストを加味して@40ドルで計算すると、家の建設費用は何と470万ドル。こうやってできた家は建物基礎、電気、家具...何も含まれていない、ただの赤レンガの壁。30ドルがいかに馬鹿げた値段かわかる。

赤レンガは誰かに投げつけるために買う?

この赤レンガ、元々はNicholas NeporannyとLawrence(ファンであり、Supreme再販業者)が3月にアイデアを思いつき、100人のファンにSupremeに「赤レンガをつくれ! 」とメールするよう促したのが発端。
 

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Neporannyのよると、「Call of Duty」(人気ビデオゲーム)でバットや鉄棒など奇妙な武器が使われることにヒントを得て、当初は「Supremeの鉄棒」を思いついたらしいけど、迷走の末、最後は「誰かを殴る用の赤レンガ」ということで落ち着いたとか。意味不明のエピソードですが、そんな使い方を目論んでいる人が実際にいる。

元彼の部屋の窓ガラスを割って、元彼をそれを再販して窓ガラスを取り換える。

レンガに穴開けてチェーン通して、どこに行くのだって身に着けていく。

 
ファンによるジョークみたいなアイデアを採用するというノリの良さ、機動力。ストーリーをつくって押し付けるのではなく、一緒にストーリーをつくっていくスタンス、ブランドのつくり方が今っぽくて痺れる次第です。
 
(via COMPLEX